2021 Fiscal Year Research-status Report
Verification of the existence of microbiota controlling rice grain terroir.
Project/Area Number |
21K19098
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
井上 晴彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (10435612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 清純 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 上級研究員 (50442827)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | イネ / 食味 / マイクロバイオーム / ネットワーク解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
コメの食味は、遺伝的要因(遺伝子)と外部環境(栽培環境)の複合的な要因で決定される。同一品種を隣接する水田で栽培した場合でも食味にばらつきがあることから、コメの良食味化の仕組みは未知な部分が多い。我々は、土作りの違い、微生物叢の多様性の差に注目し、土壌やイネ植物体上の微生物叢の解析を行うことで、コメの良食味化の解明を試みた。 山形県内の試験圃場9ヶ所、茨城県つくば市の1ヶ所の同一イネ品種「はえぬき」に用いて、2年間にわたり土壌、根、根圏、玄米表面に含まれる微生物を収集して、16S rRNA遺伝子の配列解読による微生物の系統分類を行った。その結果、コメを良食味化するバクテリアが明らかになった。これらのバクテリアについては、16S配列による菌の同定が済んでおり、今後、食味を変えるバクテリアとして研究に用いる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
良食味の玄米中から微生物を単離し、16Sの微生物ライブラリーを作成した。この微生物ライブラリーを、インデックスプライマーを用いて、PCRを行った。このPCR産物を、生成して次世代シーケンサーに供試した。このデータ解析は、QaimeIIの解析パイプラインに乗せて行った。その結果、3000個のバクテリアが1ランによって、全て完了した。また、それぞれのバクテリアが単離されたかどうかも明らかになった。ネットワーク解析より、現在、これらのバクテリアの中から、良食味化を行う微生物を単離する。
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Strategy for Future Research Activity |
良食味化のバクテリアを単離できれば、食味のうち、粘り、外観等の食味にかかわる形質のうち、どのような形質に変化を与えるのかを明らかにする。また、この微生物について、発現解析およびゲノムDNAの決定、遺伝子のアノテーションを行い、良食味化を起こす遺伝子の同定へと進む予定である。
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Causes of Carryover |
本研究では、研究の煩雑やさ、サンプルの多さから、研究支援者の雇用を考慮してきており、募集を掛けたが、適正な募集者が見当たらなかった。そのため、人件費で計上していたにも関わらず、次年度へ繰り越した。また、コロナウィルス感染症対策により、学会がオンラインでの参加となったために、出張旅費が繰り越された。 本年度、研究支援者の候補を再度探すと共に、研究の必要性に応じて出張する予定である。
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