2023 Fiscal Year Annual Research Report
冷凍保存可能な花粉を活用した新奇ゲノム編集技術の開発
Project/Area Number |
21K19115
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 健太郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (40570750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 孝佳 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (80823880)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 亜科間交雑 / 染色体脱落 / ゲノム編集 / 倍加半数体 / コムギ / パールミレット / 形質転換 / 花粉 |
Outline of Annual Research Achievements |
パールミレットはの花粉は、乾燥・凍結耐性能をもち、-80度で保存することができる。また、ムギ類との亜科間交雑時にパールミレット染色体が選択的に脱落することから、ムギ類の倍加半数体を作成することも可能である。本研究では、パールミレットのこの特性を活かし、形質転換体の作出が困難なコムギでゲノム編集を1世代で可能にする新しい技術を開発することを目的とする。本年度、胚盤の置き方、植物ホルモン濃度と種類を変えた複数の培地を試験し、その結果、2,4-Dを5.0 mg/L、アガーを15 g/L含むMS培地では、植物再分化能を持つ白いカルスを高効率(47.1%)で得られることを確認した。次に再分化培地の検討をした。BAとTDZをそれぞれ0.1 mg/L含むGelrite培地では、最大8.7%の再分化率を得ることができた。アグロバクテリウム形質転換では、ハイグロマイシン耐性遺伝子とturboGFPを発言するベクターを構築し、カルスにアグロバクテリウムを感染させた。tGFPの蛍光が、アグロバクテリウム株EHA101感染させた時に観察された。in planta Particile Bombardment法によるパールミレットの形質転換も並行して実施し、再生率の高いパールミレット系統を見出すことに成功した。安定形質転換を用いずに、直接、花粉にゲノム編集に必要なタンパク質(CAS9)と核酸(gRNA)を導入する手法についても検討し、花粉の卵細胞へのデリバリー試薬や溶媒について検討した。その結果、パールミレットの花粉は、有機溶媒の中ではキシレンにおいて低い割合であるが、花粉菅の伸長を確認した。市販のリポフェクション試薬を試したこところ、リポフェクション試薬中で花粉管を伸長することができることを確認することができた。しかし、花粉菅へのタンパク質のデリバリーは確認できていない。
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