2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of data analysis platform technology for data-driven genomic breeding
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21K19118
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坊農 秀雅 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 特任教授 (20364789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕川 雄也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (10304031)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | ゲノム育種 / 機能アノテーション / ゲノム配列 / データ駆動型 / バイオDX / 新規モデル生物 / 塩基配列解析 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
理化学研究所でのFANTOM 共同研究において20年以上かけて確立してきた哺乳類(ヒトやマウス)の機能アノテーション手法を、ゲノム育種のターゲットとなる植物や昆虫において利用可能となるよう、汎用化を試みた。そのために必要な改良に関して研究代表者と研究分担者とでオンラインで議論を重ねた。 これまでの機能アノテーションは、塩基配列とそれをコードする予測アミノ酸配列の特徴から機能推定を行う手法であり、今回さらにこの配列情報ベースの機能アノテーションに加えて遺伝子発現情報から機能を推定する手法の開発を試みた。RNA配列解読(RNA-Seq)から得られる遺伝子発現データも情報として機能アノテーションに利用する手法の開発を行った。 具体的には、かつての EST(Expressed Sequence Tag)解析においてその配列をクローニングした cDNA ライブラリの由来組織などのメタ情報を遺伝子機能の推定に利用していた(例えば、複数の組織において発現解析したデータセットから脳だけに発現が見られる場合に’brain specific gene’と結論づける)が、それをRNA-Seqデータ解析によって得られる大量の情報からコンピュータによって人手を介さず機能アノテーションする手法の開発を試みた。 利用可能なRNA-Seqデータの種類はそれぞれの生物種ごとにまちまちであるものの、RNA-Seq発現定量解析から得られる発現データから組織特異的発現情報として使うことで配列情報ベースの機能アノテーションでは手がかりが全く得られなかった転写配列に関して機能アノテーションを付与することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、一から得る予定であったゲノム配列データや遺伝子発現データに関して、他のプロジェクトのデータを利用することが可能となったため、手法の開発に使うデータを早く入手することができた。そのため、発現データから機能アノテーションする手法の開発が当初の予定よりも早く進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
開発している手法をより多くの生物種の実データに適用し、さらにデータ駆動型ゲノム育種の現場において必要とされている機能アノテーション手法として磨きをかけていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスによる疫病流行に伴い、ゲノム配列解読や遺伝子発現解析に必要なサンプルの取得ができず、これらに必要な費用(試薬の消耗品(物品費)、旅費、外注費(その他))を執行することができなかったため、次年度使用額が発生した。 比較的コロナ禍の状況が収まってきた2022年度にそれらを使用して研究を進める予定である。
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