2022 Fiscal Year Annual Research Report
Does the knockout of melatonin- and gonadotropin-inhibitory-hormone-related genes induce early first maturity?
Project/Area Number |
21K19156
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
吉川 廣幸 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 講師 (40733936)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | メラトニン / GnIH / 代理親魚技術 / クサフグ / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
有用品種をつくりだすには、有用形質を示す遺伝的変異の固定と均一化を交配により行う必要があるが、海産魚などでしばしばみられる長期の世代時間と大型の体サイズがこれを難しくしている。本研究では、移植した近縁種の細胞に由来する配偶子を生産できる代理親魚を遺伝的に早期成熟させるため、哺乳類などで報告があるメラトニンや生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン(GnIH)による成熟抑制機構に関連した遺伝子の破壊をゲノム編集により行い、変異体の成熟特性を明らかにすることを目指した。仮に、早期成熟特性を持つ変異体が作出されたならば、代理親魚技術へと適用することで、世代時間を大幅に短縮できる新たな育種戦略へと繋がる可能性がある。本年度は、前年度までに作出しているクサフグの対象遺伝子の変異導入F1(F0と野生型個体を交配して得られたヘテロ変異個体)の雌雄を用いた交配により、F2を作出した。そして、これらF2における遺伝子型に応じた生殖腺発達評価を次の通り実施した。
①メラトニン合成酵素関連遺伝子であるアセチルセロトニン-O-メチルトランスフェラーゼ(ASMT)およびGnIHの受容体として同定されているLPXRFaRについて、遺伝子機能が欠損すると予測される変異をヘテロに有するF1の雌雄を人工交配し、ホモ変異を含むF2世代の作出に成功した。
②ASMTおよびLPXRFaRそれぞれについて作出された変異導入家系のF2を1歳齢まで飼育し、その成熟特性を評価したものの、いずれの遺伝子においても遺伝子型に起因した成熟状態の違いは見られなかった。
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