2022 Fiscal Year Annual Research Report
農薬散布のリアルタイム計測と制御のための高周波電源供給型感水センサの開発
Project/Area Number |
21K19160
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野口 良造 京都大学, 農学研究科, 教授 (60261773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 善彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業機械研究部門, 連携調整・専門役等 (40442777) [Withdrawn]
Ahamed Tofael 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40593265) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 電導糸 / RFID / 水分センサ / スピードスプレーヤ / フィードバック制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高周波照射擬似独立電源型デジタル感水センサ(HFES-DWS)、的確な農薬制御を行う農薬散布アルゴリズム(CAA)の開発を通じて明らかにすることにある。 まず、果樹の葉の水分付着特性を擬した防水透湿性素材布と導電糸を用いた感水センサ(DWS)の開発によって、DWSの液体付着量の増加と導体抵抗の減少の関係が対数関数によって示されることが明らかとなった。また、DWSの抵抗値の変化と農薬の付着量の関係について感水紙(WPS)と比較し評価したところ、ほぼ同等の精度で液体付着量を測定可能であることを示した。さらに、センサーネットワーク技術を用いて、DWSの出力値リアルタイムでの遠隔取得を達成した。 つぎに、無線通信自動認識技術(RFID)を利用し、独自のHFES-DWSを開発した。基礎実験においてフェルトを巻いたタグへの水分供給において、明らかな電波強度の低下と、水分増加量と電波強度の低下の関係が、線形性を有することが示された。この結果から、RFIDタグを電子感水センサとして活用することによって、圃場でのリアルタイムに農薬散布状況を把握できる可能性を示した。なお、農薬散布時の電波強度と閾値を設定するために、最適な被覆素材の検討、データ収集方法の検討が残された。また、RFIDタグとRFIDリーダの間に水分が含まれている場合、電波は減衰し電波強度が下がる場合と、反対に電波強度が上昇するという結果が得られ、原因は不明であることから今後の課題として残された。 最後に、スピードスプレーヤ(SS)を改造した自律走行型農薬散布用農業機械(京都大学管理)を用いて、人工果樹に装着したRFIDタグに対するRFIDリーダによる測定精度を検証し、水分の有無や程度による、自動SSによるフィードバック制御噴霧の可能性を明らかにした。
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