2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K19175
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 健士朗 東北大学, 農学研究科, 准教授 (60551546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盧 尚建 東北大学, 農学研究科, 教授 (90322130)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 精子 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年は、以下の解析を実施し、雄体内における精子の品質制御メカニズムの解析技術の開発を進めた。まず、精子の前駆細胞の膜上に時期特異的に蛍光標識を入れるためのCreERマウスの作製を進めた。既報のRNAシークエンス解析のデータセットから分化細胞で特異的に発現する遺伝子を1つ選択し、その発現を免疫組織化学染色で確認した後、同遺伝子のプロモータの下流にCreERを導入したベクターを作製後、培養下の胚性幹(ES)細胞内での相同組換えを行った。得られた組換えES細胞を正常型の胚盤胞にインジェクションし、現在までに毛への高い寄与が確認されたキメラを2系統作成し、F1を得るための交配試験を実施している。キメラマウスについて、生殖系列へも高い寄与が予想されるが、系統数が少なく、うまくF1が得られない場合に備え、追加のキメラ作製も検討中である。次に、Creによる組換えによって特異的に精子の前駆細胞を蛍光標識できるレポータマウスを検討した。具体的には、生殖細胞の細胞膜に蛍光タンパク質を取り込める既報のレポーターマウスを第一候補として導入した。上述のCreERマウスおよびレポーターマウスを掛け合わせることで、2022年に精子品質制御機構解析のモデル動物を開発する。なお、今後の解析に必要なイメージング技術の改良および内分泌影響の予備検討も実施した。以上の研究は、雄体内における精子の品質のばらつきの発生要因解析に資する技術基盤であり、この利活用を通じて野生動物や産業動物の雄繁殖能制御に資する成果が得られることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた項目のうちモデル動物の開発が遅れており、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きモデル動物作製を進める。現在着目しているマウスが想定外の理由で樹立できなかった場合の代替策として、他遺伝子に着目した別系統の動物作製も検討する。
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Causes of Carryover |
マウス作製に遅れが生じたため、当初予定していた予算を次年度に使用することにした。
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