2021 Fiscal Year Research-status Report
Mutagenesis of non-coding regions via excisional genome editing
Project/Area Number |
21K19178
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 聖哉 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10633141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾部 信哉 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 専任研究員 (10633563)
久野 朗広 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60830122)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / マウスES細胞 / ランダム変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、我々が予備実験で発見した機能的な非遺伝子ゲノム領域にランダムな切除変異を導入した複数のゲノム編集マウスを作出・解析することにより、生体内での当該領域の機能を明らかにすることを目的としている。 2021年度は、まずsgRNA発現ライブラリーの開発を実施した。このライブラリーは当該ゲノム領域を一定の間隔で標的とする約20種のsgRNAをそれぞれ発現するベクターで構成される。この約20種のなかから、一定数以下のsgRNAがランダムにマウス受精卵やマウスES細胞に導入される。当初の目的通り、意図した全てのsgRNA発現ベクターの構築に成功した。 このsgRNA発現ベクターはマウスのES細胞もしくは組織特異的にゲノム編集エフェクターを発現するマウスの受精卵に導入する予定である。そこで、マウスES細胞に上述のライブラリーを導入し、バルク解析を実施した結果、全てのsgRNA発現カセットがES細胞集団中で確認された。なお、このカセットの確認には2021年度に筑波大学トランスボーダー医学研究センターに新たに導入された次世代シーケンサーを用いた。加えて、組織特異的にゲノム編集エフェクターを発現するマウスを系統化した。系統化されたマウスがsgRNAフリーの状態では異常な表現型を示さないこと、及び、sgRNA発現ベクターの導入により目的の遺伝子座に変異が誘導できることを確認した。 ランダムな変異を生じさせた受精卵やES細胞から効率よく表現型解析に使用できるマウス個体を作出させるためのin vivoイメージングマウス作製法の確立にも取り組んだが、個体差が大きく有効な条件を規定することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった標的ゲノム領域に対する20弱のsgRNA発現ベクターライブラリーが完成している。また、次世代シークエンサーを用いたランダムに導入されたsgRNAを特定する方法も確立した。加えて、ゲノム編集エフェクターを組織特異的に発現するマウスの系統化やマウスES細胞にて目的のタイミングでのゲノム編集エフェクターが機能する系の確立も完了した。 以上の様に、今後の個体解析を実施するために必要なほとんど全てのリソースと手法が確立されていることから、本研究は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に確立した我々独自のリソースと実験手法を用いて、出来るだけ多種類の変異マウスを作出していく。作出した各種マウスに導入されているsgRNA発現ベクターを次世代シーケンサーにて確認後、我々が着目している表現型と導入されたsgRNAとの関連性を解析する。また、ロングリードシークエンスにて広範囲にわたるオンターゲットサイト変異を特定する。更に、トランスクリプトーム解析も実施することで、実際にどの染色体領域が欠失しているのか、また、それの欠失によるmRNA発現プロファイルの変動を解析する。 表現型の原因となり得る染色体領域欠損変異もしくは遺伝子発現変動を発見した後に、その変異を受精卵ゲノム編集で再現し、表現型を再確認することで、実験結果の再現性を担保する予定である。
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