2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on novel therapeutic targets for nasal allergy
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21K19182
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関澤 信一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80760420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栃内 亮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90833997)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 三叉神経脊髄路核尾側亜核 鼻粘膜 免疫染色 / 鼻粘膜 / 免疫染色 / ヒスタミン / H3受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における「花粉症」罹患者は、全人口の3割(約3000万人)を超えると推定され、鼻アレルギーをもつヒトに至っては、国民の半数とも言われている。この疾患・層状に対しては、抗ヒスタミン剤が主に用いられているが、その効果は十分ではなく、QOLに著しい影響を及ぼしている。本研究は、この疾患における過剰なくしゃみや鼻水等の誘発に、神経性のメカニズムが包含されているとの仮説を基に実施されている。具体的には、くしゃみ誘発の起源である鼻粘膜三叉神経の求心性情報は三叉神経脊髄路核尾側亜核(Sp5C)へと投射しているが、このSp5Cにおけるヒスタミン受容体サブタイプ3型(H3受容体)の機能減弱が、くしゃみや鼻汁反射等の過剰な三叉神経反射を誘発すると考えている。 本年度は、鼻粘膜からの情報を受け取るSp5Cの二次感覚神経細胞の位置を同定することに成功した。鼻粘膜からの情報が入力している細胞を同定するために、鼻粘膜をカプサイシンで強く刺激し、神経活動の間接的なマーカーであるC-fosタンパクを免疫染色した。ランドマークとして、迷走神経の神経核(迷走神経背側運動核および疑核)をDiIを用いて標識し、相対的な位置関係を把握した。 卵白アルブミン(OVA)による鼻粘膜感作モデルを、F344ラットを用いて作成した。本感作モデルは、OVAの吸入による曝露ではなく、鼻腔内への限定した曝露により作製された。鼻粘膜の組織学的な検討を行い、粘膜の肥厚や炎症細胞の浸潤が認められており、OVA感作の成功が確認された。当該動物から、延髄の採材、スライス標本を作製しており、今後、免疫組織学的手法を用いた検討が実施される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鼻粘膜感作動物の作製に成功し、延髄の採材も順調に進んでいる。 今後、蛍光による、ヒスタミン受容体や神経細胞、アストロサイトの標識等、二重及び三重染色を実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き感作動物を作製し、試料を採材するとともに、電気生理学的実験、すなわち、三叉神経脊髄路核尾側亜核の神経細胞から、神経興奮性やシナプス入力についての検討を行っていく。
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