2021 Fiscal Year Research-status Report
時期および組織特異的なプロテインノックダウンを可能とするデグロンシステムの開発
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21K19188
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成瀬 智恵 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30372486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅秀 京都大学, 医学研究科, 教授 (50251450)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | デグロン / マウス / プロテインノックダウン |
Outline of Annual Research Achievements |
デグロンシステムは,細胞が本来持つタンパク質分解システムを利用して,人工的にデグロンタグを付加した標的タンパク質を,薬剤の添加により分解するプロテインノックダウン法である。これまでにタンパク質の発現制御法として用いられてきた,遺伝子ノックアウト,mRNA転写発現制御など,他の方法と比較して,可逆的であり,反応が迅速であることに大きな利点がある。これまでの神経研究のための実験動物は遺伝子ノックアウトによるものが多く,タンパク質の欠損は不可逆的であった。また,一過性に遺伝子発現を制御するTetシステムは,Doxなどの薬剤が脳血液関門を通過しないため脳の一部領域に直接投与する以外には使用できなかった。そこで,薬剤を腹腔内投与することによって,脳神経系組織全体において標的タンパク質を簡便にかつ迅速にノックダウンできるシステムを開発すれば,脳神経研究に役立てられるのではないかと考えた。さらに,この方法を拡張して,組織・細胞特異的にデグロンシステムを機能させることができれば,脳神経研究だけでなく,様々な分野の研究に応用が可能になると考えた。本年度は,これらの目標を実現できるデグロンシステムを生体に導入するために,CRBNヒト化マウスを作製し,ES細胞を採取して,デグロンタグのリーク率,薬剤添加時の標的タンパク質の減少率およびHeLa細胞を用いてCre-loxPを用いたコンディショナルノックダウン効率について解析した。ヒト細胞やCRBNヒト化細胞において,デグロンシステムは予想通り機能したが,予想外なことに,野生型マウスES細胞を用いた場合,CRBNヒト化マウスよりも感受性は低いものの,本研究で用いたデグロンシステムが機能することがわかった。そこで,マウス生体にデグロンシステムを導入する最適条件を細胞でさらに検討し,生体に導入することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト細胞やCRBNヒト化細胞において,デグロンシステムは予想通り機能することを確認できた。さらに,コンディショナルデグロンも機能することを確認した。しかしながら,コンディショナルデグロンでは薬剤投与なしの場合にもタンパク質の分解が起こっていたので,リークを減少させることが今後の課題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
PD-1を減少させる実験系を用いて,本研究で用いているデグロンシステムの有効性を確認する。さらに,リークの少ないコンディショナルデグロンシステムを細胞で確認したのちマウスに導入する。有効性の確認は翌年度になる予定である。
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