2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Assembly Intermediates of Photosynthetic Pigment Proteins by RNA-Probe-Based Exhaustive Single-Molecule Spectroscopy
Project/Area Number |
21K19200
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 穣 東北大学, 理学研究科, 准教授 (20300832)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 単一分子分光 / RNAプローブ / 励起スペクトル / 過渡的中間体 / 光化学系修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物などが行う光合成は、葉緑体内のチラコイド膜に埋め込まれたタンパク質複合体である光化学系I(PSI)、光化学系II(PSII)などにより駆動される。PSI、PSIIは複数のタンパク質サブユニットと多数の色素が結合した複合体であるが、これらが組み立てられ、チラコイド膜に組み込まれる機構は未だよく分かっていない。タンパク質組立(Assembly)中間体の捕捉がその解明の糸口になると期待される。光合成色素タンパク質のAssemblyでは、リボソームでの翻訳過程で生合成される新規ポリペプチドは、合成と同時に色素が結合し膜に埋め込まれると考えられている。つまりAssembly中間体は、リボソーム・mRNA・生成されたタンパク質および色素の複合体であると考えられる。本研究では、このようなAssembly中間体を検出するため、塩基配列に蛍光物質を結合させたRNAプローブを細胞破砕液に導入してターゲットとなる中間体とハイブリダイズさせることを目指した。これによりRNAプローブの蛍光を介してAssembly中間体が可視化される。更に、可溶化後に希釈し、単一分子分光法を駆使することにより、Assembly中間体の分光解析が可能になる。本研究では、緑藻Chlamydomonasから精製したチラコイド膜上の中間体に対してさまざまな条件下でRNAプローブを添加し、最適なハイブリダイズ条件を探索した。その結果、プローブ濃度100 μg/mLでホルムアミドを20 μL混合した場合、アンチセンスRNAプローブでのみ560 nmのプローブの蛍光ピークが検出される結果を得た。この結果からアンチセンスRNAプローブはハイブリダイズできていることが確認できた。
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