2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19209
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
村岡 貴博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70509132)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | トランスフェクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、可視光に応答して脂質二分子膜を変形する分子機械を基盤とする遺伝子光導入法の開発を行う。2021年度では、人工的に構築したリポソームを用いたモデル実験を行った。可視光に応答して内側へ陥入する初めての分子機械の開発に成功した。開発した分子機械は2本足骨格から成り、光に応答して2本足が開く運動を示す。この運動により、膜内部での分子占有面積が拡大し、膜表面積を拡張すると考えられる。同一分子数から構成されるリポソームで膜表面積を広げることは、より多くの内部容積を確保することを可能にする。この物理的原理により、開発した光応答分子機械の運動(分子立体構造変化)によって、内側への膜変形が効率的に誘起されたと理解される。 開発した分子機械はカチオン性のアンモニウム末端を有する。アニオン性高分子を加えると、膜に局在した分子機械と接着することが示された。ここに光を照射すると、接着したアニオン性高分子がリポソーム内へ輸送されることが確認された。核酸も、同様にアニオン性高分子であるため、この原理を利用して光によるリポソーム内部への輸送が可能になると期待され、その基盤成果を得ることができた。 膜変形を誘導する分子機械の効率的な有機合成方法の確立に成功した。また、単結晶を作成し、結晶構造解析によって精密な立体構造の決定にも成功した。これらの基盤となる技術と情報は、本研究を今後進める上で重要な土台となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度では、静電相互作用で物質輸送する分子機械の開発を計画していた。膜に挿入され、可視光に応答して膜変形、さらにはリポソーム内側への膜陥入を引き起こす分子機械の開発に成功した。さらに、開発した分子機械の末端にカチオン性基を導入することで、アニオン性高分子と相互作用し、膜輸送することを実証した。これらの成果は、当初計画どおりであるため、研究計画全体を通しておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に得られた研究成果を基盤とし、今後は細胞膜への分子機械の導入と、光照射による細胞膜の変形誘起の実現に取り組む。それと並行して、人工的に構築したリポソームを用いて、核酸の光膜輸送の実現にも取り組む。それらの技術を融合することにより、遺伝子の光導入の実現につなげる。
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Research Products
(7 results)