2023 Fiscal Year Research-status Report
Studies on cell-by-cell color variation of hydrangea
Project/Area Number |
21K19216
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 久美 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90210690)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | アジサイ / アントシアニン / ANS / DFR / F35H |
Outline of Annual Research Achievements |
アジサイは、環境条件で容易にガク片の色が変異することが特徴である。しかし、実際には、青系品種と赤系品種が存在し、前者を赤系の栽培条件で栽培しても、赤色にはならず紫色、後者を青系の栽培条件で栽培してもやはり、青になならず、紫色どまりである。しかし、品種「ごきげんよう」は他の品種と異なり、1品種で、栽培条件を変えることにより、美しい青色と赤色に咲きわけさせることができる。この理由の 解明を目的に研究を実施した。 青色発色にもっとも関与するアルミニウム量を分析した結果、赤には全く含まれず、青には多く含まれる。青ガク片のステージを追ってもアルミニウム濃度はほとんど変わらず、むしろ減少していた。マグネシウム濃度は赤青とも、同程度であった。次に、アントシアニン及び助色素の組成を分析したところ、アントシアニンのDp3G量は、青色で1.28 mmol/g FW、赤色で0.36 mmol/g FWと青色で多かった。助色素は、5CQ、5pCQ、3CQの順に、青色で4.02、0.44、10.32 mmol/g FW、赤色で3.66、0.70、13.57 mmol/g FWとなり、5アシル化キナ酸は、青色で多い傾向にはあったが、アントシアニンに対する当量は赤色で高かった。 そこで次に、アントシアニン及び助色素の生合成、並びにアルミニウムの輸送に関連する遺伝子の発現量の比較を行い、発色に関与する要素の探索を行なった。 アジサイガク片組織を生育と着色の違いによりステージ1から4までに分類し、それぞれの組織からRNAを抽出した。そして、現在、アントシアニンの生合成系における構造遺伝子として知られているANS(Hma027739)、DFR(Hma018417)、 F35H(Hma015590)の発現パターンに近いものを探索した。現在、その解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の吉田が所属機関を移動し、研究室の引越し作業及び、2022年度に雇用していた研究補助員の雇用継続ができなかったため、若干の遅れが生じた
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度より中部大学鈴木教授に研究協力いただくようになり、アジサイのステージ別の発現遺伝子の解析を進めることができた。今後は、これらの遺伝子の中で、ガク片の色の発色と関連するものや、発色に関わると推測される遺伝子との発現パターンが類似の遺伝子を探索して、研究目的を達成する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の機関移動に伴い、研究補助者の雇用が進まず、研究計画実施が予定より遅れたため、次年度使用額が生じた。今年度は、研究協力者と密に連絡をとって遂行予定である
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