2021 Fiscal Year Research-status Report
Novel time-resolved biosensor based on plasmon enhanced grating method
Project/Area Number |
21K19218
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺嶋 正秀 京都大学, 理学研究科, 教授 (00188674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 晃一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50467453)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | タンパク質 / 反応 / 時間分解 / 回折格子 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要 最大800文字(1600バイト) 本研究では、タンパク質分子間の相互作用機構を解明するための新しいバイオセンサーを開発することを目的とし、強いプラズモン共鳴が可能になる銀基板上の銀ナノ半球構造と、回折格子法を組み合わせたシステムを作製する。これを用いて、ヘテロダインの過渡回折格子検出装置や励起光が必要ないバイオセンサーを作製する予定である。まず、このために、銀ナノ半球構造を回折格子状に並べた基板を作製した。この基盤に連続発振のレーザーを照射したところ、適度な強度の回折光が得られ、それを光検出器でモニター出来ることが分かった。 次にこの基盤を、光を吸収する分子の溶液を入れたセルに密着し、ヘテロダイン過渡回折格子信号を観測するステップに移った。光励起に伴って発熱が起こり、屈折率変化が起こるはずであり、いわゆる熱グレーティング信号の検出を試みた。溶液をパルスレーザー光で励起子したあと、回折光の強度が時間とともに変化することが見られ、ヘテロダイン過渡回折格子信号を観測することに成功した。しかし、この信号は予想されたよりも微弱な信号であった。この原因を探るために、種々の配置や励起光強度を用いて測定を繰り返したところ、回折光の強度が時間とともに減少することが明らかとなった。また、溶液交換によっても強度減少が見られた。これの原因をさらに追及したところ、銀ナノ半球構造体が光照射や溶液交換の過程で劣化していることが判明した。これを改善するために、銀ナノ半球構造体をポリマーで保護することを検討し、その基盤の作成を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
銀ナノ半球構造を回折格子状に並べた基板を作製することに成功し、ヘテロダイン過渡回折格子信号を観測こともできた。しかし予想外にこの銀ナノ半球構造が光照射に弱いことが判明したので、これを保護することを行う必要があり、現在はそれに向けて改良を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
銀ナノ半球構造が光照射に弱いことが判明したので、銀ナノ半球構造体をポリマーで保護することを検討し、その作成を試みている。これが作成できれば、ヘテロダイン過渡回折格子信号を観測する実験を行い、タンパク質溶液を用いて構造変化を高感度で時間分解検出する計画である。このためにこれまで通常の過渡回折格子法で反応を明らかにしてきたフォトトロピンを用いて、その高感度性と有利性を明らかにする。さらに、バイオセンサー開発に向けて、溶液中でのタンパク質会合を回折光変化として検出できるかどうかを試みる。このためには、例えば我々が開発してきたeBLUFと呼ばれるタンパク質の会合を、微小体積で検出することを試みる。これが可能になれば、多くのタンパク質に適用できる超高感度バイオセンサーが作製できるはずである。
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Causes of Carryover |
銀ナノ半球構造が光照射に弱いことが判明したので、当初の予定を変更して、新たに銀ナノ半球構造体をポリマーで保護することを検討した。現在は、その作成を試みているが、この変更のために用いる。これが作成できれば、ヘテロダイン過渡回折格子信号を観測する実験を行い、タンパク質溶液を用いて構造変化を高感度で時間分解検出する計画である。このためにこれまで通常の過渡回折格子法で反応を明らかにしてきたフォトトロピンを用いて、その高感度性と有利性を明らかにする。さらに、バイオセンサー開発に向けて、溶液中でのタンパク質会合を回折光変化として検出できるかどうかを試みる。このためには、例えば我々が開発してきたeBLUFと呼ばれるタンパク質の会合を、微小体積で検出することを試みる。これが可能になれば、多くのタンパク質に適用できる超高感度バイオセンサーが作製できるはずである。
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