2021 Fiscal Year Research-status Report
蛍光局在+バーコード二重標識による新規lineage tracing法の開発
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21K19232
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川又 理樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (80602549)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | Lineage tracing / DNA barcode / CRISPR-Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
Lineage tracing法としてのこれまで細胞の標識法として多色蛍光での標識とDNAバーコード標識がある。しかし蛍光標識は4色程度に限られており、DNAバーコードは細胞の位置情報を得ることができない。そこで本研究では、上記の問題を解決すべく2つの標識法を融合させた「蛍光局在+DNAバーコード」による二重標識法によって1細胞レベルでの解析が可能な新規lineage tracing法の開発を試みた。 2本のアレルに対するinsertion/deletion (indel)の誘導を1細胞レベルでリアルタイムに蛍光識別できるAllele-specific Indel Monitor System (AIMS, Chd1-P2A-Venus / Chd1-P2A-tdTomatoのホモ型レポーター)をマウスES細胞で作製し、独自の活性調節[C]gRNAを用いてP2A配列を標的にindelを誘導した。実験結果に対してCas9活性値とアレル毎のindelパターンのsimulation数理モデルを作製し、およそ8割程度の Cas9活性が9つの蛍光局在パターンと挿入されるバーコードの多様性を最大化できる条件であることを特定した。また、9つの各蛍光パターンにおけるindel配列は、クローン間でほとんど重複がなく多様性に富んでおり、大部分の細胞を識別可能となることを確認した。また、免疫染色等によって第三(短波長)、第四(超波長)の蛍光を組み合わせた解析も有効であることを確認し、2色9パターン+DNA barcodeの二重標識技術が新規lineage tracing法として有用であることを示すことができた。更に、Chd1-P2A-Venus / Chd1-P2A-tdTomatoのホモ型レポーターマウス(AIMS マウス)の作製も完了し、in vivo解析の準備が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの計画で進行しているが、2年目のin vivo解析を考えると、AIMSマウスに対してCRISPR-Cas9のin vivo導入により二重標識を誘導できるかの条件検討までは進めておきたかった。
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Strategy for Future Research Activity |
In vitroに関して、各種蛍光パターンのクローンにおけるIndel解析を追加し、大規模バーコードデータの取得により識別可能な細胞数を特定する。また、Cdh1-AIMS ES細胞クローンに対し、青色の蛍光試薬であるmCeruleanカセットをTbx3のcoding末端にP2Aと連結させたTbx3-P2A-mCeruleanをノックインし、第3の蛍光試薬の有効性を証明する。 In vivoに関しては、AIMSマウスに対してCRISPR plasmidをhydrodynamic injection法で肝臓に導入し、肝細胞を二重標識する。その後、がんdiethylnitrosamine (DEN)投与によるがんの誘導や、部分肝切除による肝臓の再生を誘導し、標識細胞のクローナル解析を通して発がんや再生機序の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
想定していた大規模シークエンスなどの解析を次年度に実施することとなったため、翌年度分への請求となった。
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Research Products
(4 results)