2021 Fiscal Year Research-status Report
シングルセルゲノミクスとイメージングによる遺伝子発現のタイミング制御機構の解明
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21K19249
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀江 健生 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10455925)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | ホヤ / 遺伝子発現調節 / 転写 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では遺伝子発現調節機構について、特に遺伝子発現のタイミングを制御する新たな機構を解明することを目指している。具体的には以下の2つの研究を展開する。 ① 同じ組織に発現するが、発現のタイミングが異なる遺伝子群のエンハンサー解析 ② 転写のライブイメージングによる遺伝子発現のタイミングの定量的解析 2021年度については、ドーパミン神経をモデルとして、 同じ組織に発現するが、発現のタイミングが異なる遺伝子群のエンハンサー解析を進めた。『ドーパミン関連遺伝子』の一つであるTH (チロシン水酸化酵素)の最少エンハンサーについて実験を行い、Meis, Ptf1a結合配列を近づけることにより、遺伝子発現のタイミングが本来より早くなることを明らかにした。逆に『ホルモン・神経ペプチド関連遺伝子』であるナトリウム利尿ペプチド受容体の最小エンハンサーにおいて、Meis, Ptf1aの結合配列を離すことにより、遺伝子発現のタイミングが遅くなること明らかにした。現在、5種類の『ドーパミン関連遺伝子』、3種類の『ホルモン・神経ペプチド関連遺伝子』について同様の解析を進めている。また、MS2-システムを用いた転写のライブイメージングシステムの構築に取り組んでおり、使用するベクターや発現系の最適化を行った。一過的な発現系では転写のライブイメージングに成功しているが、定量的な解析を行うことが出来る品質のデータは得られていないため、来年度以降はトランスジェニック系統の作製を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子発現のタイミングを制御する分子機構について、エンハンサー内における転写因子間の結合距離の違いが、遺伝子発現のタイミングの違いを作り出すとい仮説をもとに検証している。現在のところ、この仮説をおおむね支持する研究データを得ることが出来ているため
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Strategy for Future Research Activity |
今後はMS2システムによる転写のライブイメージングの実験系を構築し、遺伝子発現のタイミング制御に関する研究について定量的な解析を進めて行きたい。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの感染拡大の影響による物品納入の遅れのため。
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Research Products
(11 results)