2023 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of cold tolerance and thermo-sensation via degenerin-type mechano receptor DEG-1
Project/Area Number |
21K19279
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
久原 篤 甲南大学, 理工学部, 教授 (00402412)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | C. elegans / 低温耐性 / 線虫 / 温度受容体 / DEG/ENaC |
Outline of Annual Research Achievements |
温度は生体の生存と繁栄に関わる重要な環境情報のひとつである。本研究では、線虫C. elegansが示す温度応答のひとつである低温耐性・馴化 を実験系として、温度受容の分子機構に関わる新しい原理を解き明かすことを目的として解析を進めた。特に、メカノ受容体であるDEG/ENaCが温度受容 に関わることを近年見つけたため、メカノ受容体を介した温度受容に関して解析をすすめた。 これまでに、メカノ受容体であるDEG/ENaCの変異体であるdeg-1変異体が低温耐性に異常をもち、その原因はASG感覚ニューロンにおけるDEG-1を介した温度受容情報伝達の低下にあることが示唆されてきた。そこで、 メカノ受容体を介した温度受容に関して、その関連分子の同定やメカノ受容体による温度受容の生理的な解析をすすめた。 2023年度は、DEG-1以外のDEG/ENaCチャネルが温度に反応するチャネルであるかどうかを電気生理学的に解析した。解析手法としては、アフリカツメガエルの卵母細胞に当該DEG/ENaCチャネルを発現させ、2本差しパッチクランプ法を用いて、温度刺激に対して細胞内ナトリウムイオン濃度の変化が生じるかを電気生理学的に測定した。またこれまでに、温度刺激依存的に発現変動する遺伝子のトランスクリプトーム解析から、DEG/ENaC以外の新規の温度受容体候補遺伝子として、3量体Gタンパク質に関連した遺伝子が見つかってきたため、その遺伝子の変異体の低温耐性や温度応答性を調べたところ、低温耐性の異常が観察されたため、それらの3量体Gタンパク質に関連した遺伝子の変異体において温度受容ニューロンの活動をカルシウムイメージングで測定した。
|