2021 Fiscal Year Research-status Report
誕生日タグづけ法による大規模データを利用した神経細胞群と行動表現型との因果推論
Project/Area Number |
21K19281
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
平田 たつみ 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 教授 (80260587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠里 由佳子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80346171)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 誕生日タグづけ / 大規模データ / 情報処理 / 因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者が開発したマウス神経細胞の分類操作技術「誕生日タグづけ法」を用いて取得した2種類の大規模データセットから、情報科学技術を用いて、神経細胞とそのアウトプット表現型との因果関係を推定する。これまでに「誕生日タグづけ法」を用いて分類できる神経細胞群の包括的な顕微鏡画像データベースを開発している(NeuroDB)。さらに、上記と同じ条件でタグづけされた神経細胞群の神経活動を人為的に操作した際に、マウス個体に現れる身体症状の表現型データセットを集めている。この2つのデータをつきあわせれば、神経系全体に散在する神経細胞群の活動と、そのアウトプットとしての身体機能との関係を抽出できるはずである。本提案では、このユニークなデータセットから、統計分析手法を駆使した因果推論により何が導き出せるか、という問いに挑戦する。深層学習やノンパラメトリックベイズモデルなどを用いて予測精度を高めた解析を行う。本研究で得られる情報や技術は、学術的のみならず医療的にも価値が高い。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、誕生日タグづけ神経細胞の顕微鏡画像データから、脳領域を特定する画像認識システムの構築を試みた。代表者平田が正解データを作成し、分担者遠里がそれを用いた深層学習により、脳の大まかな8領域の分割を目指した。画像の前処理を工夫することで良い予想結果が得られたが、染色性の異なる別のデータセットに応用するためにはさらなる改良が必要であることがわかった。また、切片として切り出された際に生じた変形を考慮した3D情報の再構築を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
脳領域を特定する画像認識システムと3D構築システムについてさらに改良を進め、成果を学会等で発表して議論する。マウス個体に現れる身体症状の表現型データセットの蓄積が進み、目に見えた違いが検出できつつある。この成果を情報処理学的に解析することで、ヒトの頭で考える以上の発見が見つかるかどうか検討する。
|
Causes of Carryover |
代表者による主な作業が次年度になったため。
|