2021 Fiscal Year Research-status Report
菌類のゲノムワイドな分子情報に基づく系統復元と研究領域拡大への基盤構築
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21K19286
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡根 泉 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60260171)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 植物絶対寄生菌 / サビキン / DNA塩基配列 / MIG-seq法 / 分子系統解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
筑波大学菌類標本庫(TSH)および茨城大学菌類標本庫(IBA;一部はTSHに移管済み)に収蔵されている植物絶対寄生菌であるさび病菌(サビキン)の乾燥標本合計約36,000点のうち、分類群を考慮して選抜した約650標本についてDNAサンプルの準備を行った。そして、それらのうちの108サンプルについて、MIG-seq法(Suyama & Matsuki, 2015)用にゲノム中のマイクロサテライト領域を標的として設計された16種のプライマー(フォワードおよびリバーズプライマー各8プライマー)で第1次ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施した。 その結果、42サンプルにおいて分子量の異なる複数のPCR産物の増幅が確認された。これらについては、今後MIG-seq法を適用し、ゲノムワイドなDNAシーケンス情報が取得できると判断された。 なお、供試した108サンプル以外に、48サンプルを供試したが、その成否については再確認の必要性がある。今後、その他のDNAサンプルについても第1次PCRを実施しMIG-seq法適用の可否を判断する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採集年代の古いものも含むサビキンの多数の収蔵乾燥標本から、分類群を考慮して選抜した標本のDNAサンプル約650サンプルを準備することが出来た。また、その一部についてはMIG-seq法の適用の可否を判断するため、本法専用の16プライマーを用いた第1次PCRを実施することができ、約40%で本法の適用が可能であることが確認された。これらの成果は、今後の作業スケジュールを策定する上で重要である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらにDNAサンプルの追加を行いつつ、それらのDNAサンプルの第1次PCRを実施すると同時に、MIG-seq法適用が可能と判断されたサンプルについては、研究協力者に解析を依頼する。そして、得られたDNAシーケンス情報の解析作業を順次進めて行く。
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