2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19291
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小薮 大輔 筑波大学, プレシジョン・メディスン開発研究センター, 准教授 (60712510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武智 正樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10455355)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 進化 / 出産 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定ではベトナムでルーセットオオコウモリとコバナフルーツコウモリ,新潟県五泉市でコキクガシラコウモリ,北海道倶知安町でトウヨウヒナコウモリの捕獲調査を実施する予定であった.本研究は完全に国内外での野外調査を基盤としたものであるが,国内外でコロナウイルスの拡大が引き続き継続し,国内外での野外調査を所属機関およびベトナムの事情により実施することができなかった.そのため,本年度はできる限り研究費を温存し,来年度に繰り越すこととした.一方で,国内で研究費の使用がほとんど必要ない,既存の標本でのマイクロCT研究を中心に三次元解剖学的研究を中心に進めることとした.合計 81 個体のコウモリの液浸標本あるいは骨格標本を使用した。 これらは日本に生息するコウモリ 6 科 13 属のうち、オヒキコウモリ科を除いた 5 科 12 属 をカバーしている.内訳は,オオコウモリ科 1 属 1 種,カグラコウモリ科 1 属 1 種,キク ガシラコウモリ科 1 属 5 種,ヒナコウモリ科 8 属 16 種,ユビナガコウモリ科 1 属 2 種であ る(亜種も含む). 比較のため以下の日本産でないコウモリも分析対象に加えた.東南アジアに分布するウーリーキクガシラコウモリ Rhinolophus luctus(キクガシラコウモリ科),メキシコ南部からブラジルに分布するセバタンビヘラコウモリ Carollia perspicillata(ヘラコウモリ科),南アジアから東南アジアに分布するオオアラコウモリ Megaderma lyra(アラコウモリ科),南アジアから東南アジアに分布するクロヒゲツームコウモリ Taphozous melanopogon(サシオコウモリ科)の 4 科 4 種を用いた.これらを用いてマイクロ X 線 CT 撮影装置で撮影した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外でコロナウイルスの拡大が引き続き継続し,国内外での野外調査を所属機関およびベトナムの事情により実施することができなかった.そのため,当初予定していた妊娠コウモリの蒐集を行なうことが出来ず,計画していた非妊娠時~各妊娠ステージにかけてRLN1 ,MMP,FIB5,LOXL1の発現量がどの部位で変動するのか定量的にその動態を明らかにすることができなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は世界的にもコロナ禍が鎮静化しつつあるとみられ,国内での調査実施が可能となると期待される.5月~8月は国内で,3月はベトナムで調査を実施する予定である.収集したサンプルはRNAを抽出精製後,リアルタイムPCRに供し,遺伝子の発現を網羅的に解析する.特に,非妊娠時~各妊娠ステージにかけてRLN1 ,MMP,FIB5,LOXL1の発現量がどの部位で変動するのか定量的にその動態を分析する.これらの発生遺伝学的分析は主に分担者の順天堂大学で実施し,代表者はサンプル収集とRNA抽出精製作業,形態学的解析を担当する.
|
Causes of Carryover |
コロナウイルスの感染拡大が継続し,国内外での野外調査がほとんど実施できなかったため.
|