2022 Fiscal Year Research-status Report
南極海外洋域の生物学的ホットスポット:ナンキョクスカシイカ稚仔からのアプローチ
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21K19292
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
茂木 正人 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (50330684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 愛子 東京海洋大学, 学術研究院, 博士研究員 (00836843)
若林 敏江 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 教授 (80392918)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 南大洋 / サメハダホウズキイカ科 / ナンキョクスカシイカ / Galiteuthis glacialis / 胃内容物 / 形態発育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,代表者と協力者(大学院生)1名とで,東京海洋大学「海鷹丸」の南大洋航海に3年ぶりに参加し,ナンキョクスカシイカの稚仔を数十個体,さらにその他数種の頭足類の稚仔を採集した.ナンキョクスカシイカと同科のダイオウホウズキカの稚仔も得られた.これらの試料は,一部については現場でDNAサンプルを採取し,種同定に供する.その他の試料については,現場で外套長を計測したのち,形態観察用にはホルマリン固定,胃内容物観察用にはエタノール固定した. すでに保管されていたナンキョクスカシイカ稚仔の標本について,形態観察を終え形態発育に関する論文を執筆中である.各部の相対成長を詳細に測定・観察したところ,本種は外套長20 mm付近で,発育の局面が変化することが明らかになった.さらに一部標本について顕微鏡観察とDNAメタバーコーディングによる食性の分析・解析を行った.顕微鏡観察での餌生物の同定は,多くが破砕されていたことから困難を極めたが,DNAメタバーコーディングによって多様な餌生物を一定程度同定できることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に採集航海が無かったことが響き,十分な個体数が得られていない.また,論文執筆も年度内に完了している計画であったが,まだ投稿できていない.一方で,3年ぶりの航海で多数の試料が得られたこと,DNAメタバーコーディングがうまくいったことは良い材料であった.
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Strategy for Future Research Activity |
主として前回の航海で得られた試料を用いて,DNAメタバーコーディングによる胃内容物の同定を進める.形態発育の論文をできるだけ早く出版するとともに,胃内容物に関する論文は年度内の投稿を目指す.継続的な研究のために南大洋航海に参加する.
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Causes of Carryover |
1年目に航海が実施されなかったため,乗船に関わる予算に余剰が出た.2年目は航海が行われる予定だったため,余剰分を3年目の採集航海に関わる予算に回すこととした.
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Research Products
(1 results)