2021 Fiscal Year Research-status Report
Detecting genome duplications in palynological records: As a case study to understand genome evolutions in light of the Earth history
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21K19300
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山田 敏弘 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70392537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEGRAND Julien 静岡大学, 理学部, 助教 (60737534)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 花粉 / ゲノムサイズ / 白亜紀 / 古第三紀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、白亜紀末の大量絶滅を境に、植物のゲノム倍化が起きたという仮説を化石から検証することを目的とする。ここでは、化石として保存されやすい花粉に着目する。そのために、まず花粉サイズとゲノムサイズの相関関係の有無を現生植物の花粉を用いて検証する。また、化石記録における花粉サイズの変化を、文献資料と採集試料の解析によって明らかにする。これらの作業のうち,本年度は以下を実施した。
1)花粉化石試料の採集:北海道羽幌町周辺において、上部白亜系蝦夷層群の調査を行い、花粉抽出用の試料を採集した。また、これまでに採集していた試料について花粉分析を行い、得られた花粉群集について学術誌で報告した。 2)文献収集:後期白亜紀および前期古第三紀から報告された花粉に関する文献収集を行なった。特にK/T境界をまたいで産出するヤマモガシ様花粉、Aquilapollenites、Normapollesに関する文献ついては集中的に収集した。また、その一部については、花粉サイズに関する情報を抽出した。 3)現生花粉試料の採集:実質的に研究に着手できた令和3年9月以降に開花した種について、大阪市立大学附属植物園植栽の植物から花粉を採集した。また、採集した花粉を観察し、各種100粒について最大径(楕円体の場合は最小径も)を測定した。実施期間が秋季から冬季にあたるため、採集できた種は少なかったが、年度内にシキミ(ANA植物)、ゲッケイジュ、ロウバイ(基部被子植物)、サクラ、ウメ、ビワ(真正バラ亜綱)、トキワマンサク(真正双子葉類)など、重要な系統に属する種を採集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)花粉化石試料の採集:許可申請に時間がかかり、予定していた地域での採集ができなかった。そのため、今年度は別地域での基礎データ収集を進めた。一方、その成果の一部を既に学術誌に出版できたのは、予想外に研究が進展した結果である。 2)文献収集:必要な文献は問題なく入手できた。 3)現生花粉試料の採集:交付申請時に予定した種については、すべて採集することができた。しかし、交付内定自体が遅れたため、多くの種で花期を逃してしまい、研究に必要な種のカバー率は20%未満である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)花粉化石試料の採集:許可申請を進め、必要なサンプルを採集する。また、調査地域での予備調査を行なった経験のある研究者を分担者に加え、調査を加速させる。 2)文献収集:収集した文献の精査と花粉情報の収集を進める。また、調査の過程で必要性が判明した文献についても収集と解析を進める。 3)現生花粉試料の採集:前年度に採集できなかった種についての採集を進める。また、採集した種についてゲノムサイズの測定を行う。
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Causes of Carryover |
花粉化石試料の採集を行う予定であったが,許可申請の遅れから一部実施できなかったため。
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Research Products
(1 results)