2023 Fiscal Year Research-status Report
Detecting genome duplications in palynological records: As a case study to understand genome evolutions in light of the Earth history
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21K19300
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 敏弘 北海道大学, 理学研究院, 教授 (70392537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEGRAND Julien 静岡大学, 理学部, 助教 (60737534)
中村 英人 北海道大学, 理学研究院, 助教 (00785123)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | ゲノム倍化 / 花粉 / 胞子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「白亜紀末の大量絶滅イベント前後に植物ではゲノム重複が起きた」とする仮説を、化石から実証することを目指す。そのために、令和5年度は 以下の作業を行った。 1)前年度まで、ゲノム重複を化石から推定するプロキシとして、化石として残りやすい花粉のサイズに着目して研究を進めてきた。しかし、花粉では送粉様式によるノイズが生じることが明らかとなった。そこで本年度は,専ら風媒である小葉類やシダ類で胞子サイズとゲノムサイズとを比較することとした。ここでは大阪公立大学附属植物園に植栽されたシダ類約30種について、胞子サイズとゲノムサイズの測定を行った。特に,シダ類でのゲノム測定の効率的な方法を探索し、プロトコールを確立した。また、小葉類(ヒカゲノカズラ科)については、ゲノム倍化が起きたと予想される種群の収集を行った。得られたデータの解析を今後行い、胞子サイズとゲノムサイズとの相関を検証する予定である。なお、小葉類においては自然倍数化した種群で胞子サイズを計測し、倍数性と胞子サイズとの間に良好な相関があることがわかった。 2)化石を用いたサイズ変化の解析:北海道に分布する白亜系蝦夷層群で地質調査と花粉化石抽出用サンプルの採集を行った。また、前年度に採集した根室層群の花粉サンプルを解析し、K/Pg前後の堆積物から十分量の花粉が得られることを確認した。前年度までは、白亜紀末期から新生代初頭にかけての堆積物を主たる対象として収集を進めたため、今年度は後期白亜紀の中頃の堆積物を中心にサンプリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
花粉では送粉様式によるサイズへのノイズがあることがわかったため、胞子の解析を新たに開始した。そのため、目的達成への進行度はやや遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
胞子ではゲノムサイズと胞子サイズとの間に良い相関がある可能性が高まったため、胞子化石・現生胞子の解析に注力することで,目的達成につなげる。
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