2021 Fiscal Year Research-status Report
非光合成生物の産生する光毒性色素の機能と地理的分布の解明
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21K19303
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
谷藤 吾朗 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (70438480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 卓郎 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (70583508)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 非光合成葉緑体 / 光毒性色素 / メタゲノミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
クロロフィルおよび光受容能があるクロロフィル前駆体は単体で光を受容すると活性酸素を生み出す“光毒性”を呈する(以下、光毒性色素と表記する)。よって非光合成生物にとって光毒性色素は有毒分子であり、非光合成生物では合成されないとされてきた。一方で、代表者は単細胞真核生物のCryptomonas属で、3つの系統的に独立の非光合成生物が光毒性色素を合成する酵素遺伝子をもつことを明らかにした(Tanifuji et al. 2020, GBE) 。また、先行研究クロロフィル合成酵素遺伝子の一部を色素体ゲノムに維持している例が環境DNA解析の結果から示され注目された。本成果は、応募者たちとは別なアプローチからクロロフィル関連物質が光合成以外に機能があることを示唆するものであり、また、その機能をもつ多様な生物の存在を示唆する。そこで、非光合成生物の光毒性色素は機能をもち、その機能は多様な生物によって環境に寄与しているのではないかと考えた。本研究計画では、培養可能な生物を用いた実験系と環境メタゲノミクスを組み合わせた両輪を有する研究スタンスで、非光合成生物のクロロフィル合成系の機能と多様性の解明を目指す。 初年度の培養実験+全遺伝子変動解析は計画通り完了し、光条件に依存した遺伝子発現パターンの変動を検出した。また、 環境メタゲノミクスに関しては、谷藤の所属する国立科学物館実験植物園内(つくば)の水生植物区画の各地点をサンプリングすることで一般的な淡水域の環境をカバーした。サンプリングは夏・冬で2回行い、メタゲノム解析から、同じ水系の季節ごと、地点ごとで微生物相が異なる結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画中の全遺伝子変動解析と淡水域における環境メタゲノミクスは計画通り行えたが、コロナ禍にあって海洋でのサンプリングが困難であったことから全体としてやや遅れている。2022年度はサンプリングの回数を増やすなどして、全体としてのデータの確保を狙う。
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Strategy for Future Research Activity |
全遺伝子変動解析は2022年度に予定通り発言年同パターンの詳細な解析を行い、光毒性色素を合成する酵素遺伝子の変動と似たパターンを示す遺伝子を特定する。それらの情報を統合し、光毒性色素合成と連動した機能推定を行う。メタゲノミクス解析では2021年度と同様の淡水域の解析を行うと同時に、海洋での解析を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍にあり海洋でのサンプリングが複数回中止になったため、計画当初の使用予定額を下回った。22年度にはサンプリング回数を増やし、研究を遂行する。
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