2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel method for live cell imaging of intracellular and extracellular structures in brain tissue
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21K19305
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野住 素広 新潟大学, 医歯学系, 講師 (00420323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 敦子 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (40467072)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞内外ライブイメージング / SUSHI / COSHI |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外領域の蛍光標識でシナプスを含む脳組織のネガティブ像を取得するライブイメージング法SUSHI(Super-resolution shadow imaging)の原理を細胞内構造の可視化に適応することで、脳組織における細胞内外構造の同時撮影を目指してきた。 蛍光タンパク質を発現させた培養細胞で細胞内構造のネガティブ像を取得することで、複数のオルガネラや細胞骨格を同時観察することに成功した。神経細胞から伸びる軸索先端の成長円錐では、ネガティブ像の取得により、ミトコンドリア形態とアクチン細胞骨格の逆行性流動の新たな関係を明らかにすることができた。成長円錐内の膜輸送に関わる小胞群の追跡も可能であることが分かった。胎仔マウス脳に子宮内エレクトロポレーション法で赤色蛍光タンパク質を導入し、緑色蛍光を含む培地中で脳スライスを共焦点顕微鏡で連続撮影を行った(COSHI, confocal shadow imaging)。赤色蛍光タンパク質で標識された神経軸索の成長円錐が近くの細胞に向けてフィロポディアを伸ばしている様子を捉えることに成功した。 本研究により、2種類の蛍光画像から、脳組織において軸索伸長や遊走で形態変化する神経細胞とその周りを取り囲む多様な細胞群との相互作用を捉えつつ、同時にオルガネラなどの細胞内構造の変化を可視化することが可能になった。今回試みた細胞内構造の可視化は神経細胞に限らず、線維芽細胞やグリオーマ株細胞にも適応できたことから、神経細胞からグリア細胞まで幅広い細胞種での細胞内外ライブイメージングに応用できると思われる。このライブイメージング法は脳の形成過程だけでなく、病態脳における様々な細胞集団の細胞内外動態を網羅的に可視化するツールとしての応用が期待される。
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