2021 Fiscal Year Research-status Report
シナプス分子の光操作に資する革新的技術プラットフォームの創生
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21K19311
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹本 研 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80466432)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | CALI法 |
Outline of Annual Research Achievements |
CALI法は、光に反応し活性酸素を産生する光増感物質を用いた分子機能不活性化法である(Jay DG PNAS 1988)。申請者はこれまでに、シナプス表面に発現するAMPA受容体GluA1ホモマーのCALI法の開発に成功し、GluA1ホモマーが記憶の獲得に機能することを発見した(Takemoto K et al. Nat. Biotechnol. 2017)。このようにCALI法は、in vivoでも高い特異性を有する分子操作技術であるが、分子ごとにCALIが可能な抗体をスクリーニングする必要があり、その開発には経験上約1年を要する。よって他の様々な神経伝達物質受容体に対するCALI法を次々に開発することは、現在のところ極めて困難である。そこで本研究ではこの解決を目的に、CALI効率を迅速に最適化する新手法(ハイスループットCALI法、投稿準備中)を様々な受容体分子に適用する。これにより、主要な神経伝達物質受容体に対するCALI法をハイスループットに開発する。 CALIの効果を解析するには、定量的な分子機能解析法が必要である。我々が従来用いたイメージングや電気生理学的解析に加え、一般的に広く用いられた分子機能解析法として、ウエスタンブロットがある。例えばリン酸化酵素の場合、リン酸化抗体により分子活性を簡便に定量測定することができるが、サンプル量が多く必要であるため、培養dishで広範囲に光を照射しCALIを行う新しい光学系が必要である。そこで本研究ではまず高出力のLEDを光源に用いて、10cm dishでも均一に光照射が可能なCALI用光照射装置の開発に成功した。そこで本システムを用いて我々が開発したハイスループットCALI法をEGF受容体に適用し、短期間でもCALI法開発に成功した。現在、TrKBなどのシナプス可塑性に関わる受容体分子への適用とノウハウの確立を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電気生理・イメージングといった従来のCALI用機能アッセイに加え、ウエスタンも使用可能となり、汎用性が大幅に向上した。さらにEGF受容体をモデル分子にして、適用に成功するなど順調に研究は進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りシナプス分子への適用を進め、技術の成熟化を進める。これにより光操作技術プラットフォームの構築を目指す。
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Research Products
(3 results)