2022 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖を利用したクライオ電子顕微鏡解析の問題克服と自然免疫受容体TLRへの応用
Project/Area Number |
21K19328
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 敏之 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (30273858)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | クライオ電子顕微鏡 / Orientation bias / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年クライオ電子顕微鏡による単粒子解析が飛躍的に進み、数々のタンパク質構造が解析されている。しかしながら解析途中でいくつもの問題点に直面する。代表的なものはグリッド作成時のOrientation biasである。これは単粒子解析では分子がランダムに配向しなければならないが、一方向になってしまい三次元構成が困難になるという問題である。 この問題点を解決するために様々な手法が提唱されているがTLRが糖タンパク質であることを利用し、人為的なコントロールが可能である糖鎖修飾によってこの問題点を解決することを試みる。 EndoHは高マンノースのキトビオースコア内部やN 結合型糖タンパク質のハイブリッドオリゴ糖内部で糖鎖を切断するグリコシダーゼである。この酵素で処理するとタンパク質に単糖を残して糖鎖(GlcNAc)を切断することができる。EndoH処理あり、なしのTLR7サンプルはOrientation biasを解決するまでにはいたらなかった。糖鎖処理の有無に加え、Tagの切断の有無などの条件検討も必要だと思われる。人為的に糖鎖サイトを導入すると、タンパク質の発現などにも影響することもあった。タンパク質側の改変とグラフェンなどのグリッド利用など多面的な検討が必要だと思われる。
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