2021 Fiscal Year Research-status Report
全脳神経活動マッピングを用いた単一細胞イメージング薬理学による自閉症の病態研究
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21K19335
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 均 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30240849)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 発達障害 / 全脳イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、妥当性の高いヒトの3q29領域欠失部分に相当する染色体領域を欠失した3q29欠失マウスを用いて、体性感覚皮質の社会性行動時に過剰に活性化する神経細胞の特性に注目し、社会性行動に関与する神経回路を同定・操作すること、および3q29欠失マウスの社会性行動異常を引き起こす分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。 これまでに、3q29欠失マウスが示す社会性行動異常が自閉スペクトラム症の治療薬候補であるオキシトシンの投与によって回復すること、およびオキシトシンニューロンの起始核である室傍核のオキシトシン陽性神経細胞数が野生型マウスと比較して少ないことを示してきた(Takemoto et al., Mol Brain, 2022)。今年度は、3q29欠失によるオキシトシン陽性細胞数の減少と社会性行動異常との関連性を明らかにすることを目的に研究を実施し、以下の結果を得た。①3q29欠失マウスの大脳皮質のオキシトシン含有量が野生型マウスと比較して少ないことを明らかにした(Takemoto et al., Mol Brain, 2022)。この結果は、3q29欠失マウスの社会性行動異常がオキシトシンシグナルの障害に起因する可能性を示唆している。②妊娠14日目の3q29欠失マウスの室傍核におけるオキシトシン神経細胞数を調べた結果、野生型マウスに比べて少ないことを明らかにした(未発表データ)。この結果は、3q29欠失によってオキシトシン神経細胞の発達の初期段階に異常が引き起こされることを示唆している。 本年度の研究成果は、3q29欠失マウスの社会性行動異常が、発達段階のオキシトシンシグナルの障害により引き起こされることを示しており、本研究の目的である体性感覚皮質の社会性行動時に過剰に活性化する神経細胞の特性解析には、成熟マウスのみならず発達段階のマウスを用いることが重要であることを示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自閉スペクトラム症の社会性行動異常を引き起こす分子メカニズムの一端が明らかになったため
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Strategy for Future Research Activity |
全脳活動マッピングを用いて、本モデルマウスのオキシトシンシグナルの変化と社会性行動異常を繋ぐ詳細な神経メカニズムを明らかにする。
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Causes of Carryover |
全脳活動マッピングを実施する予定であったが、装置の故障により計画が遅れた。しかし、2月に復旧したため、現在順次撮影している。本課題の実施自体に大きく影響なしない。
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Research Products
(4 results)