2021 Fiscal Year Research-status Report
20Sプロテアソームのゲート開口を促進する革新的神経変性疾患治療戦略
Project/Area Number |
21K19341
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 教授 (40192190)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
Keywords | 20Sプロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病などの神経変性疾患では、内因性変性タンパク質が凝集し神経細胞を傷害する。内因性変性タンパク質は20Sプロテアソーム により分解されるが、20Sプロテアソームではタンパク質が内部の触媒部位へと侵入するゲートが閉じられている。そのため、細胞内に存在するタンパク質性活性化因子がゲートを開口し分解を誘導する。そこで本研究では、20Sプロテアソームのゲートの開口を促進することにより、20Sプロテアソームによる変性タンパク質の分解を亢進できる低分子性プロテアソーム活性化剤を天然資源から探索する。 ユビキチン非依存的プロテアソームシステム(UIPS)により分解されるオルニチン脱炭酸酵素(ODC)とルシフェラーゼの融合タンパク質(Luc-ODC)を安定発現させた細胞を用いてハイスループットスクリーニングを実施した。天然物600サンプルと天然物エキス5300サンプルをスクリーニングした結果、5種類の天然物エキスがヒットした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載した通り、天然物600サンプルと天然物エキス5300サンプルをハイスループットスクリーニングし、5種類の天然物エキスをヒットして獲得したので、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒットエキス5種類からプロテアソーム活性化物質(PA: proteasome activator)を単離して構造決定する。さらに、PAを添加することにより内因性変性タンパク質の凝集が分解されるかを、透過型電子顕微鏡で観察する。引き続き、病態モデルマウスにPAを投与し二光子顕微鏡を用いた画像解析により凝集が分解されるか確認する。
|
Causes of Carryover |
2021年度は天然物とエキスのスクリーニングを行なったが、実際には予定していた予算よりも少額で研究を進めることができた。2022年度は、エキスからPAを単離して構造決定するとともに、エキスから単離したPAを添加することにより内因性変性タンパク質の凝集が分解されるかを透過型電子顕微鏡で観察する。さらに、病態モデルマウスにPAを投与し、二光子顕微鏡を用いた画像解析により凝集が分解されるか確認するために助成金を使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)