2023 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内新生Sタンパクを標的とした新規COVID-19治療薬の開発
Project/Area Number |
21K19344
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
西川 喜代孝 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (40218128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和久 剛 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (40613584)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 新型コロナウイルス / Sタンパク / ペプチドライブラリースクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
1)SタンパクのRBD(S1-RBD)を標的としたペプチド性阻害薬の同定(西川・和久);多価型ランダムペプチドライブラリーシートスクリーニング法による高親和性RBD結合モチーフの取得を行った。スクリーンングにあたっては、F486A-S1-RBDよりも野生型S1-RBDにより強く結合することを指標にした。本年度では、4次スクリーニングの結果に基づき、2系統5種のライブラリーを作成し、5次スクリーニングを行なった。5次スクリーニングの結果に基づき、1系統6種のライブラリーを作成し、6次スクリーニングを行なった。6次スクリーニングの結果に基づき、1系統9種のライブラリーを作成し、最終段階となる7次スクリーニングを行なった。その結果、最終的に10種の候補モチーフを決定した。取得した10種のモチーフを多価型ペプチドライブラリーと同じ核構造に組み入れ、4価型ペプチドを合成した。
2)取得した4価型ペプチドのRBD受容体結合活性阻害能の評価(西川);RBDのACE2結合活性はELISAにて評価した。本結合に対する、取得した10種(#1-10)の4価型ペプチドの容量依存的阻害活性を評価した。positive controlとして、RBDとの結合に関与することが知られているACE2領域の22アミノ酸からなるペプチド(ACE2pep)を用いた。これまでに4種について活性評価を行なった。その結果、ACE2pepは300 microMを使用しても50 %阻害に至らないのに対し、3種については0.1-0.3 microMで50 %阻害を引き起こすこと、さらに興味深いことに1種についてはRBDとACE2との結合を阻害するどころか、容量依存的に結合を増加させ、1 microMでは1.5倍に結合活性を増強させることを見出した。
|