2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of new BNCT sensitizer based on molecular chirality recognition of amino acid transporter LAT
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21K19348
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安西 尚彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70276054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 哲宏 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (80361450)
松川 岳久 順天堂大学, 医学部, 助教 (60453586)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | トランスポーター / 分子キラリティ / 分子標的創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy,BNCT)は中性子と組織に取り込まれた元素であるホウ素との核反応により発生する粒子放射線により、選択的に細胞を殺すという原理に基づく放射線療法で、がん細胞と正常細胞の区別が可能な「正常細胞に非常に優しいがん治療法」であり、本研究は特にホウ素化フェニルアラニンBPAの2つの鏡像異性体であるL体とD体という「分子キラリティ」認識が悪性腫瘍の薬物治療に有効な「選択毒性」に繋がることを着想し、トランスポーターを標的とする新規BNCT増感薬開発を目指す。2021年度は、「新規ホウ素不斉化合物群の設計・合成」に関し、研究分担者および研究協力者とこれまでの実験結果の検討を行い、化合物S12の構造を基にした不斉化合物の構造設計を行い、ラセミ体、およびD体, L体の新規ホウ素化合物合成準備を整えるとともに、「ヒトLAT1発現腫瘍由来細胞における不斉化合物in vitro取り込み評価」に関しては、研究分担者の保有するLAICP-MS(レーザアブレーションICP質量分析)を用いた細胞内ホウ素測定システムの立ち上げを行い、LAT1及びLAT2安定発現細胞に取り込まれた微量ホウ素の同定に成功し、次年度のBNCT増感効果および毒性軽減効果評価のための基盤を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である2021年度は、「新規ホウ素不斉化合物群の設計・合成」に関し、研究分担者である根本、および研究協力者である宇都宮大学 大庭らとこれまでの実験結果の検討を行い、化合物S12の構造を基にした不斉化合物の構造設計を行い、ラセミ体、およびD体, L体の新規ホウ素化合物合成準備を整え、「ヒトLAT1発現腫瘍由来細胞における不斉化合物in vitro取り込み評価」に関しては、研究分担者である松川とともに、LAICP-MS(レーザアブレーションICP質量分析)を用いた細胞内ホウ素測定システムの立ち上げを行い、LAT1及びLAT2安定発現細胞に取り込まれた微量ホウ素の同定に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
「新規ホウ素不斉化合物群の設計・合成」に関しては、研究分担者の根本が中心になり新たな不斉化合物の構造設計をことに、新規ホウ素化合物(ラセミ体およびD体, L体)合成を行い、研究代表者の安西らが樹立したS2-LAT1およびS2-LAT2細胞を用いて化合物スクリーニングを実施し、「ヒトLAT1発現腫瘍由来細胞における不斉化合物in vitro取り込み評価」に関しては、年度内の担がんモデル動物への中性子線照射実現に向け、研究分担者の松川が有するLAICP-MSを用いたBNCT増感効果および毒性軽減効果評価をまずる腫瘍細胞により実施し、適宜モデル動物へと移行する。
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Causes of Carryover |
2021年度に研究分担者である松川とともに行った「ヒトLAT1発現腫瘍由来細胞における不斉化合物in vitro取り込み評価」に関しては、「現在までの進捗状況」に記載の通りLAICP-MSを用いた細胞内ホウ素測定システムの立ち上げを行ったが、これはパイロットスタディということで、研究代表者および分担者が日常的に行っている実験系を活用することで対応可能であったため、物品費等、予定した助成金の使用をせずに、次年度の本格的な測定のために費用の確保したことにより、分担者松川の分担金が次年度使用額に計上された。
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