2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19351
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内匠 透 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00222092)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | レジリエンス / リン酸化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、概日リズムとうつの関連研究から偶発的に生まれたレジリエンスモデルをもとに、レジリエンスの分子的基盤である時計タンパク質のキナーゼを同定し、その阻害剤の開発とともに、これまでにない全く新しい作用機序の気分安定薬、抗うつ薬の開発の基盤を提供する。またレジリエンスの分子カスケードを明らかにする。さらにレジリエンスの標的脳部位を探索する事を目的とする。 時計タンパク質PER2の変異体ノックイン(KI)マウスをレジリエンスモデルとして確立した。変異体の周辺アミノ酸配列はキナーゼであるGSK3betaのリン酸化モチーフ「S-X-X-X-S-P」に対応しており、GSK3betaによるN末端側のセリンのリン酸化にはC末端側のセリンがあらかじめ別のプライミングキナーゼによってリン酸化される必要がある。またこの部位はプロリンと隣接しているため、このプライミングキナーゼはプロリン指向性キナーゼである。本研究ではプライミングキナーゼの探索とともに、レジリエンスの分子カスケードを明らかにするためにシグナル分子の網羅的探索、さらにレジリエンスの神経回路を明らかにするために標的脳部位の探索を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プライミングキナーゼの探索:(a)候補阻害剤によるスクリーニング:MAPKファミリーやCDK5などの各種キナーゼ阻害剤を投与した培養細胞よりタンパク質を抽出してウェスタンブロット解析に供し、リン酸化抗体のシグナルを指標に阻害剤の効果をスクリーニングした。(b)si RNAライブラリーを用いたスクリーニング:網羅的siRNAライブラリーを用いて、培養細胞に導入し、上記同様リン酸化抗体のシグナルを指標にその効果をスクリーニングした。現在解析中である。(c)リン酸化タンパク質を合成したライブラリーでのスクリーニングを行った。現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記スクリーニングの結果を絞り込み、ターゲットを同定する。 本研究では、リズムとうつの関連研究から偶発的に生まれたレジリエンスモデルをもとに、レジリエンスの分子的基盤である時計タンパク質の新規キナーゼを同定し、その阻害剤の開発とともに、新しい作用機序の気分安定薬、抗うつ薬の開発の基盤を提供する。またレジリエンスの分子カスケードを明らかにする。さらにレジリエンスの標的脳部位を探索する。本研究の成果は、物質的根拠のないレジリエンスに対して分子的基盤を与えるものであり、これまで生物学的理解が進まなかったうつ病研究領域に新たな概念を提唱するものである。また生理学・薬理学的なストレス研究
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Causes of Carryover |
レジリエンスモデルマウスの繁殖に時間を要し、RNA-seq実験が年度を跨ぐことになった、本年度、当該実験を推敲する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] mTOR-AKT Signaling in Cellular Clock Resetting Triggered by Osmotic Stress.2022
Author(s)
Yoshitane H, Imamura K, Okubo T, Otobe Y, Kawakami S, Ito S, Takumi T, Hattori K, Naguro I, Ichijo H, Fukada Y
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Journal Title
Antioxid Redox Signal
Volume: in press
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A common pathologic mechanism across cellular origins underlies systemic immune dysregulation in an idiopathic autism mouse model2022
Author(s)
Lin C-W, Septyaningtrias DE, Chao H-W, Konda M, Atarashi K, Takeshita K, Tamada K, Nomura J, Sassagawa Y, Tanaka K, Nikaido I, Honda K, McHugh TL, Takumi T.
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Journal Title
Mol Psychiatry
Volume: in press
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Genetic dissection identifies Necdin as a driver gene in a mouse model of paternal 15q duplications.2021
Author(s)
Tamada K, Fukumoto K, Toya T, Nakai N, Awasthi JR, Tanaka S, Okabe S, Spitz F, Saitow F, Suzuki H, Takumi T
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Journal Title
Nat Commun
Volume: 12
Pages: 4056
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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