2021 Fiscal Year Research-status Report
Pathological diagnosis by paraffin section proteotyping that opens up a new field of molecular pathology
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21K19365
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 康雄 東北大学, 薬学研究科, 講師 (70583590)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | プロテオタイピング / パラフィン切片 / 病理診断 / 分子病理学 / レーザーマイクロダイセクション |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床研究において、パラフィン組織を用いたタンパク質発現の網羅的定量法の開発は重要な課題であるが、従来法は再現性が極めて悪かった。本研究では、パラフィン組織を用いた高精度な「プロテオタイピング」によって、分子病理学の新領域を拓くことを目標とした。 これまでの検討によって、すでに予定前倒しで、パラフィン切片を用いた網羅的定量プロテオミクスの手法を開発してきた。超高圧と常圧を交互に与える(1)Pressure Cycling Technology(PCT)によってホルマリン架橋の除去、蛋白抽出、トリプシン消化を完全に進行させることができ、数千種類の蛋白質発現の一斉かつ高精度定量を可能にする(2)SWATH測定と(3)高精度定量ペプチド選択法を用い、再現性と網羅性の低さを解決してきた。 本計画では、先ず、レーザーマイクロダイセクションを用いて、パラフィン切片から、病変部位とそうでない部位を区別して採取し、開発したプロテオミクス手法を適用することによって、病態分子機構を解明できること及びレーザーマイクロダイセクションを組み合わせた技術の有用性を実証した。具体的には、肝障害マウスの肝臓のパラフィン切片を用いて、障害部位をレーザーマイクロダイセクションで採取し、従来の抗体を用いたタンパク質発現と独自のプロテオミクス法に基づく発現の定量結果を比較した結果、良好かつ網羅的に病変部位の分子機構をとらえることができることが実証された。 アルツハイマー病患者の脳から血管を採取し、独自のプロテオミクス手法を適用した結果、初めて、アルツハイマー病の脳血管においてリボソーム複合体およびその後の翻訳過程が活性化していることが明らかとなった。すでに論文発表済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
独自に開発してきたFFPE定量プロテオミクスにレーザーマイクロダイセクションを組み合わせた手法を開発でき、この手法の開発によって、ヒトの病態血管の単離と解析が実現し、はじめて、新規の病態分子機構をヒトで発見できたため。予定よりも前倒しで進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
アルツハイマー病に加えて、ヒトの病態パラフィン組織(アミロイド血管症など)を用いて、ヒトの脳および脳血管における病態分子機構およびその個人差を網羅的に解明できることを実証する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] An Atlas of the Quantitative Protein Expression of Anti- Epileptic-Drug Transporters, Metabolizing Enzymes and Tight Junctions at the Blood-Brain Barrier in Epileptic Patients2021
Author(s)
Sato R, Ohmori K, Umetsu M, Takao M, Tano M, Grant G, Porter B, Bet A, Terasaki T, Uchida Y
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Journal Title
Pharmaceutics
Volume: 13(12)
Pages: 2122
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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