2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K19373
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鍔田 武志 日本大学, 歯学部, 客員教授 (80197756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
スルタン ソフィア・シェリル 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (20838437)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | Bリンパ球 / 多糖抗原 / T細胞非依存性 / 細胞内分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺炎球菌莢膜多糖などの多糖への抗体産生は感染防御に重要である。タンパク質抗原への抗体産生とは異なり、多糖への抗体産生はT細胞によるヘルプなしにおこるが、そのメカニズムは不明である。ニトロフェノール(NP)に特異的なBCRを発現するB細胞をNP化したタンパク質抗原で刺激してもB細胞は活性化しない。しかし、デキストランなどの多糖抗原をNP化し、NP特異的なB細胞と培養すると、B細胞は活性化・増殖する。BCRが抗原と反応するとBCRを介するシグナル伝達がおこるとともに、抗原は細胞内に取り込まれる。取り込まれたタンパク質抗原は速やかにリソソームで分解されるが、多糖は長時間分解されずに後期エンドソーム/リソソームにとどまることを明らかにした。細胞内で長時間保持される抗原が多糖抗原によるT細胞非依存的なB細胞応答に関わるかを明らかにするために、リソソームタンパク質であるカテプシンBとデキスラナーゼの融合タンパク質をコードするcDNAをCreリコンビナーゼ依存的に発現するDNAフラグメントをROSA26遺伝子座に挿入するためのターゲットベクターを作製し、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集によりマウスの作出を行なった。インジェクションと得られた産仔のスクリーニングを繰り返し、カテプシンB-デキストラナーゼ遺伝子がROSA26遺伝子座に挿入された組み換えマウスを得ることができた。さらに、カテプシンB-デキストラナーゼノックインマウスをタモキシフェンでCreが活性化するCreERT2マウスと交配したマウスを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、多糖抗原の細胞内保持がB細胞のT細胞非依存的な応答に関わるかを明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために、デキストラナーゼをリソソームに発現させ、抗原としてB細胞に反応したデキストランの細胞内保持を阻害し、デキストランによるB細胞の活性化がおこらなくなるかを明らかにする。デキストラナーゼは動物細胞では発現せず、一部の微生物が分泌する。微生物由来のデキストラナーゼをその活性を保ったままで動物細胞のリソソームで発現させるというのは大きなチャレンジであったが、これまでの解析で、デキストラナーゼとカテプシンBの融合タンパク質をB細胞株で発現するこの融合タンパク質が後期エンドソーム/リソソームに局在し、エンドサイトーシスにより取り込まれたデキストランを分解することが明らかとなった。また、カテプシンB-デキストラナーゼcDNAをROSA26遺伝子座に挿入した組み換えマウスを得ることができた。このマウスを得るためにインジェクションを何度か繰り返す必要があったため研究の進行は当初の予定よりも遅れてはいるが、エンドサイトーシスされたデキストランを分解するマウスを作出するのに解決しないといけない問題は概ね解決できた。このため、本研究の進捗状況は概ね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、カテプシンB―デキストラナーゼ融合タンパク質がリソソームに局在し、抗原としてB細胞を刺激したデキストランを分解することを明らかにした。さらに、この融合タンパク質をコードするcDNAをROSA26遺伝子座に挿入するためのターゲットベクターを作成し、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集によりカテプシンB―デキストラナーゼノックインマウスを作成した。このノックインマウス由来のB細胞をデキストランで刺激した際にB細胞の活性化・増殖がおこらなくなるか、また、このマウス由来のB細胞をB細胞欠損マウスに移入し、デキストランで免疫しても抗体産生がおこらなくなるかを明らかにする。このことで、多糖抗原の細胞内での保持がT細胞非依存性の抗体産生に関わるかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
カテプシンB―デキストラナーゼ融合タンパク質を発現するカテプシンB―デキストラナーゼノックインマウス作出の際に何度もインジェクションとスクリーニングを繰り返す必要があり、このマウスの作出が当初の計画よりも遅くなった。このためこのノックインマウスの解析を次年度に行う。
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Research Products
(2 results)