2021 Fiscal Year Research-status Report
SARS-CoV-2増殖におけるPin1の役割と治療薬への可能性
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21K19380
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅野 知一郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70242063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 祐介 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (20452584)
山本屋 武 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (50760013)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | Pin1 / SARS-CoV-2 / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
SARS-COV-2治療薬の開発は、世界中の国々の大きな期待であり、経済状態を回復させるためにも必須である。我々は、SARS-COV-2の増殖に、感染細胞のPin1が必須であることを見出したので、Pin1阻害薬を用いて画期的なCOVID-19治療薬の開発を目的としている。その結果、独自に開発してきた470個以上のPin1阻害剤の中から、SARS-COV-2の増殖を強く抑制する多数の化合物を見出した。特に、H-77及びH-537がIC50 2‐3μM程度と最も強く、10μMでは99%を超える抑制効果を発揮した。 また、SARS-COV-2を感染させた細胞からPin1が結合するタンパクの同定を行った。その結果、Pin1がNタンパクに強く結合する結果が得られた。また、double membrane vesicleに存在するnsp3を免疫染色する検討を行ったところ、H-77の添加で大きな変化が認められており、この結果からは、double membrane vesicleの形成抑制を意味するものと考えられた。H-77の添加では、細胞内のNタンパク量も顕著に減少している。我々はNタンパクに作用するPin1が抑制されると、Nタンパクの安定性かフォールデイングが障害され、結果としてdouble membrane vesicleの形成が障害されるのではないかと考えている。Pin1阻害薬を処理した細胞では、SARS-COV-2を感染させてもdouble membrane vesicleの形成が認められず、ウイルスの増殖が抑制されている。現在、この現象にNタンパクとPin1との結合が果たしている役割を解明中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pin1が結合するSARS-COV-2のタンパクがNタンパクであることを新規に同定できたこと、さらに、SARS-COV-2の増殖を強く抑制する化合物の作成に成功しつつあることから、おおむね順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
NspタンパクのcDNAの発現ベクターとPin1の発現ベクターとを共発現させ、Pin1がターゲットとしているタンパクの同定を行う。 NタンパクとPin1の結合を電子顕微鏡も用いて明らかにする。Nタンパクには、Pin1が結合する可能性があるSer/Thr-Proモチーフを6か所持っているので、これらに変異を入れて、Pin1のNタンパク内の結合部位を明らかにする。 上記の実験を進行中である。 一方、SARS-COV-2の増殖抑制効果が強いPin1阻害化合物の最適化に関しては、坑ウイルス効果のEC50値から考えると、かなり良いところまで進んでいる。さらに継続して進める。
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[Journal Article] Prolyl isomerase Pin1 plays an essential role in SARS-CoV-2 proliferation, indicating its possibility as a novel therapeutic target.2021
Author(s)
Yamamotoya T, Nakatsu Y, Kanna M, Hasei S, Ohata Y, Encinas J, Ito H, Okabe T, Asano T, Sakaguchi T.
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Journal Title
Scientific Reports.
Volume: 11
Pages: 18581
DOI
Peer Reviewed / Open Access