2021 Fiscal Year Research-status Report
多光子励起による生体多色活動計測・操作技術の開発と応用
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21K19429
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂本 雅行 京都大学, 生命科学研究科, 特定准教授 (00777865)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 光遺伝学ツール / FRET / 多色イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
高次脳機能を理解するためには、脳を構成する細胞が織りなす高度に制御されたネットワークダイナミクスについて、正確に計測・操作する技術が必要不可欠である。近年では、カルシウムセンサーと光遺伝学ツールを用いることで、神経活動計測・操作が生体においても可能となってきている。しかしながら、従来の手法では、①光遺伝学ツールがイメージングの励起光で活性化されてしまう、②異なる細胞種の活動同時に計測できない、など実用的な使用に向けては多くの課題が残っている。本研究では、生体で使用可能な新規光遺伝学ツールや活動イメージング用プローブをデザインすることで、生体においても多色イメージングと光遺伝学的操作が同時に可能な新規手法の開発をおこなう。 令和4年度は、多光子レーザーを用いた生体での神経活動操作を実現するため、コンダクタンスが増大した新規光遺伝学ツールのスクリーニングをおこなった。具体的には、短波長で励起可能なチャネルロドプシンのスクリーニングをおこない、有力なオプシンを新たに獲得することができた。また、シグナルペプチドを付加することで、生体ニューロンにおける膜局在の改善にも成功した。活動イメージングに使用するプローブについても、多色イメージングに最適な波長で励起可能な変異体を獲得することができた。今後、蛍光タンパク質ならびにリンカー配列のスクリーニングをおこない、生体イメージングに最適化した光遺伝学ツールならびにイメージング用プローブを開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度の目標であった有力なオプシンを新たに発見することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光タンパク質ならびにリンカー配列のスクリーニングをおこない、生体イメージングに最適化した光遺伝学ツールならびにイメージング用プローブを開発する。
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Causes of Carryover |
本年度計画していたプローブのデザインならびにスクリーニングが予定よりも少ないサンプル数で達成できたため。翌年度分として請求した助成金は、プローブの改変の際の消耗品に使用する。
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