2022 Fiscal Year Annual Research Report
特定アミノ酸の選択的修飾に資する放射性金属錯体の創製
Project/Area Number |
21K19446
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 裕之 京都大学, 薬学研究科, 講師 (40710786)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | ラジオセラノスティクス / アミノ酸 / ケミカルラベリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,特定のアミノ酸残基の選択的な修飾を可能とするラジオセラノスティクスに有用な放射性標識薬剤を創製することにある.従来汎用されている,リジン残基やN末端のアミノ酸残基のアミノ基やシステイン残基のチオール基の修飾法に加え,それ以外の特定のアミノ酸残基を選択的かつ効率的に標識に修飾できれば,ラジオセラノスティクスに有効な新規薬剤の創出につながると考えられる. 本年度は,適切なpH条件で開裂し,ジアゾニウム塩を生成することが知られているトリアザブジエン骨格を用いて放射性金属のチロシン特異的標識法の開発を行なった.様々な核種と安定な錯体を形成することからラジオセラノスティクスにおいて汎用されているDOTAを放射性金属核種との錯体形成部位として選択し、新規分子としてTBD-DO3A-1を設計・合成した.ついで,チロシンへの導入およびIn-111を用いた放射性核種による標識検討を行なった.その結果,前駆体とチロシンを反応,精製し,その後In-111を標識を行うことで,TBD-DO3A-1を用いた放射性金属核種のチロシン標識に成功した.さらに、精製を挟まないone-pot合成についても検討し,目的物の生成を確認した. また,モデルペプチドとTBD-DO3A-1との反応検討を行い,前駆体の合成およびその放射標識にも成功した.
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