2021 Fiscal Year Research-status Report
AYA世代のがん疼痛治療選択のためのバイオマーカー探索と新たながん疼痛治療の開発
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21K19461
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
松岡 弘道 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (20425078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里見 絵理子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (40543898)
成田 慶一 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (60511912)
白石 航也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (80609719)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 難治性がん疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
痛みは「不快な感覚あるいは情動体験」と定義されるように、がん疼痛は、多面的で種々の要因が相互に作用する複雑な症状である。特にAYA世代で出現頻度が高いことが知られており、様々な因子が直接的もしくは間接的に相互に関連し症状を形成しているため、Genotypeやサイトカイン等のバイオマーカーも含めたPrecision Medicineの開発が求められている。 先行研究では、がん患者の疼痛増悪に関連する因子として、腫瘍側の要因の他に、患者側の要因として、抑うつ・不安、身体化、せん妄、アレキシサイミア(失感情傾向)等が挙げられているが、各因子の相互作用および因果関係の検討はなされていない。また、治療にはNSAIDsやオピオイドなどの薬物療法が頻用されるが、慢性痛には効果が期待できず、また慢性化を予測するバイオマーカーもない。 本研究は極めて探索的性質が強い芽生え期の研究として、SNPs、サイトカイン等のバイオマーカー、疼痛の病態、および心理社会的因子との相互相関関係をAYA世代の疼痛から探索し、難治性がん疼痛を予測するバイオマーカーの開発研究基盤を築くことを目指す。 具体的には、後方視的(単施設)及び前方視的多施設共同研究において、それぞれ異なった集団で、再現性を確認する。 本年度は、包括的同意の元で国立がん研究センターバイオバンクに検体保存されているがん疼痛と診断された患者の診療録調査を実施し、疼痛コントロール良好群とコントロール不良群に分類した。 難治性がん疼痛を予測するバイオマーカーを開発出来れば、がん疼痛研究を革新的に発展できる。オピオイドが非がん痛にも使用され始め、欧米同様に不適切使用が増加しつつある社会において、疼痛の慢性化に伴う患者・家族の苦痛を軽減し、地域や国が抱える医療経済上の負担や介護負担を軽減させ、国民のwell-beingを維持し、社会存続への貢献を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コントロール良好群と不良群の定義やその判定に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き診療録調査を進めて、後方視的研究(解析)を完了し、バイオマーカー候補を選定する。並行して前方視研究の研究計画書を作成する。
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Causes of Carryover |
後方視的研究に時間を要し、前方視研究で予定した人件費の経費執行がなかったため次年度使用する予定である。
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