2022 Fiscal Year Research-status Report
HFpEF and cardiac reprogramming
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21K19471
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
家田 真樹 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70296557)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 心臓再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では高齢化に伴い心不全患者の増加が社会問題となっている。最近の研究により左室駆出率の保たれた心不全(heart failure with preserved ejection fraction;HFpEF)が増加傾向にあり、心不全の約半数を占めることが明らかにされた(Pfeffer et al., Circ Res 2019)。HFpEFでは左室収縮能が保持されているが拡張能が障害されており、高齢者に多く、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの合併が多い。病理組織学的には心筋肥大、線維化、慢性炎症や血管内皮障害がみられ、様々な細胞が病態形成に関与する。治療としては、一般的な心不全薬であるベータ遮断薬やレニンアンギオテンシン系阻害薬などは無効であり、現在予後を改善できる根治的治療法はなく、新しい治療の開発が真に求められている。そこで本研究ではHFpEFモデルマウスに対して心筋リプログラミングの有効性を検証する。さらにシングルセル解析を用いてHFpEFの病態や心筋リプログラミングの作用機序を解明し、心筋リプログラミングによる新しいHFpEF治療の確立を目指す。本年度はHFpEFモデルマウスに対する心筋リプログラミングと心不全の改善を行った。心筋リプログラミング遺伝子発現マウスにL-NAME(NOS阻害薬)とHigh Fat Diet(HFD)を与えてHFpEFモデルを作製する(Schiattarella et al., Nature 2019)。L-NAME/HFD投与10週後のHFpEF完成後にタモキシフェン投与を行い、心臓線維芽細胞で心筋リプログラミングを誘導する。これまでの実験で、心筋リプログラミングにより、HFpEFにおける心臓線維化と左室拡張障害が改善し、心不全改善が得られた。一方、心筋リプログラミングによって心肥大が進行するなどの有害事象は認めていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの実験で、心筋リプログラミングにより、HFpEFにおける心臓線維化と左室拡張障害が改善し、心不全改善が得られた。また心筋リプログラミングによって心肥大が進行するなどの有害事象は認めていないなどの結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はHFpEFに対する心筋リプログラミングの作用機序を解明するため、上記遺伝子改変マウス心臓のSingle cell RNA-seqを行う。
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Causes of Carryover |
予備実験を踏まえて実験計画を見直した結果、継続して使用できる物品等があり消耗品や試薬の購入にかかる費用を節約することができた。余剰分はオミクス解析等の外部委託に係る費用に充てる予定である。
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Research Products
(9 results)