2021 Fiscal Year Research-status Report
IL-17産生γδ型T細胞を制御する新規癌免疫療法の創生を目指した基礎的研究
Project/Area Number |
21K19518
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
調 憲 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 俊樹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20346852)
塚越 真梨子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60781317)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
Keywords | IL-17産生γδ型T細胞 / 難治癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、感染免疫の研究成果にて明らかとなったIL-17産生(Vγ6陽性)γδT細胞に着目し、癌微小環境におけるIL-17産生γδ型T細胞の役割を解明することである。まず、本研究の基礎となる抗原特異的CD8T細胞誘導モデルの確立を行った。OVA257-2 64特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウスであるOT-IマウスとLy5.1マウスを交配させ、OT-Ly5.1マウス脾臓細胞からナイーブCD8T細胞を単離し、C57BL/6マウス(Ly5.2)に移入した。卵白アルブミン産生EL-4細胞(EG.7)を皮下接種し、腫瘍接種1・2・3週目にそれぞれ腫瘍局所、所属リンパ節、脾臓において、抗原特異的CD8T細胞が通常の10-50倍程度誘導されることを確認した。抗原特異的CD8T細胞は、OVA257-264ペプチドMHCテトラマーで検出可能で、Vα2抗体とCD45.1(Ly5.1)抗体でも同等に検出可能だった。経時的な解析により、抗原特異的CD8T細胞は、2週目でピークを迎え、3週目には減少しており、その機能(グランザイム発現・IFN-γ産生)も2週目でピークを迎えていた。現在、γδT細胞の局在や機能についてフローサイトメトリー解析を行っているところであり、その研究結果を基に、UC-7(抗体γδmAb)、1C10-1F7(抗Vγ6mAb)抗体の至適投与時期や投与回数について検討していく予定である。また、上記の抗原特異的CD8T細胞誘導マウスモデルで、様々な癌腫で検討できるように、マウス各腫瘍細胞株(肺癌:3LL、大腸癌: MC-38、悪性黒色腫:B16F10、肝細胞癌:Hepa 1-6)に卵白アルブミンの導入を試みており、現在までに3LL-OVA株の樹立に成功した。引き続き、MC-38やHepa1-6等でも卵白アルブミン導入株の樹立を目指してく予定である。さらに従来の皮下腫瘍モデルに加えてOVA-1産生黒色腫細胞株を用いた肺転移モデルを確立するために研究を継続している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基本的な実験系の詳細な検討を含めて系の確立は十分できたが、細胞株の樹立に時間を要したこと、COVID-19パンデミックの影響による研究者の健康状態もあり、少し当初の研究スケジュールよりやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究者の健康が回復したこと、この4月より本研究課題に従事する大学院生が1名増員となり、研究の加速・進展が期待できる。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響もあり、研究計画の遅れを生じた。そのような中でも実験系に関しては十分な準備ができたこと、さらには研究者(大学院生)がもう一名増員となったため、遅れを取り戻し当初の計画を達成できると考える。
|