2023 Fiscal Year Annual Research Report
Epigenetic regulation as novel approach for organ regeneration - Learning from the stress response mechanism
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21K19533
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 信治 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (50186889)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | イモリ / エピジェネティック制御 / ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常成獣マウスとイモリ個体を、それぞれ8%、20%、80%の酸素状態下に2時間露出した直後、肺および心臓組織を採集した。それぞれの臓器組織内における代謝関連因子およびエピジェネティック関連因子の発現の違いについて、RNA-seqまたはRT-PCR法で定量評価した。その結果、8%酸素刺激により、イモリ肺組織内のDnmt3α、Mbd2、Mbd3、Hdac2の発現は有意に上昇し、マウス肺組織内ではDnmt1とDnmt3αの発現が有意に低下していることが判明した。また、80%酸素下では肺組織内におけるこれらエピジェネティック関連因子の発現変化が軽微であることも判明した(PLoS One, 2024)。一方、心臓組織にRNA-seq解析を行った結果から、代謝や酸化還元関連分子の発現変化がマウスとイモリ共に多く認められたが、両者の酸素濃度変化に対する反応が異なっていることも見受けられ、その詳細な結果を纏めた論文は学術誌に投稿中である。さらに、イモリ下肢組織から組織細胞の単離培養と増幅を行った。健常イモリの下肢筋肉組織を採集し、我々の改良した培養方法で、イモリ下肢組織から数ヶ月間の継代培養でコンタミネーションなく、効率良く細胞増幅することに成功した。また養増幅した細胞は、凍結保存とRecoveryの検証も行った。さらに、培養増幅してきた細胞は、老化現象もなく、放射線照射や酸化ストレス刺激などに対する応答も実験で確認できた。これらの成果を論文に纏められ、学術誌に公表した(Dev Growth Differ. 2023)。2023年度中には、特にモリ組織細胞を用いて、放射線抵抗性に関する基礎研究を精力的に行い、DNA損傷修復やミトコンドリア機能の動態的変化から興味深い所見を得られた(論文作成中)。今後はさらなる研究を展開し、臓器再生、発癌、放射線傷害などにブレークスール成果を期待したい。
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Research Products
(3 results)