2023 Fiscal Year Annual Research Report
Induction of tissue-specific stem cells by novel transcription factors and/or small-molecule compounds
Project/Area Number |
21K19537
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | iTS細胞 / 膵幹細胞 / 低分子化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
ES/iPS細胞の臨床応用化が進んでいるが、いまだ分化誘導効率の低い臓器・組織が多く存在する。我々のグループは、山中因子を用いて人工組織特異的幹細胞(iTS細胞)の作製に成功している。この細胞は分化誘導効率がES/iPS細胞より高いなどの利点があるが、iTS細胞の樹立にはiPS細胞作製技術を用いているため、作製時にiPS細胞の混入の可能性がある。本研究では、「山中因子以外」の因子を用いてiTS細胞を樹立することを目的としている。具体的には、(1)YAP遺伝子によるiTS細胞の樹立、(2)新規遺伝子によるiTS細胞の樹立、(3) 低分子化合物によるiTS細胞の樹立を試みる。 令和5年度は低分子化合物によるiTS細胞の樹立を試みた。2016年にSB431542、Bix01294、RG108、Bay K8655 (SBRB)を用いて、胃の上皮細胞から人工内胚葉系幹細胞(iEndoPC)を樹立したとの報告がなされている。また、2013年にはVPA、CHIR99021、616452、Tranylcypromine、Forskolin、3-deazaneplanocin A(VC6TFZ)を用いたiPS細胞の樹立の報告がなされている。本研究では、SBRBやVC6TFZなどの低分子化合物を用いてiTS細胞の樹立を試みたが、残念ながらiTS細胞の樹立には至らなかった。SBRBやVC6TFZを投与すると細胞の形態変化は認められたが、自己複製能を持つ細胞の樹立には至らなかった。特に、VC6TFZを用いてのiPS細胞樹立の報告があるが、再現性は取れなかった。原因として、本研究で用いた細胞が膵組織であり、過去の報告例と異なるため、リプログラミングがうまく起こらなかった可能性が考えられた。
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