2022 Fiscal Year Research-status Report
新技術の融合によるDAMPs・ヒストンの細胞内での分解に挑戦する
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21K19544
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 直樹 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (80508036)
外波 弘之 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90420405)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (20381171)
八木下 尚子 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 講師 (40367389)
藤田 英俊 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90571802)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 敗血症 / DAMPs / ヒストン / シノビオリン |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症の病態の進展には、Damage Associated Molecular Patterns(DAMPs、ダンプス)の封じ込めが必須である。DAMPsとは、細胞の活性化・細胞死より、細胞外へ放出される分子の中で、生体にとって有害な分子を言う。具体的な分子には、ヒストンH2A、H2B、H3、H4などがある。これらは細胞外では、ヒストンH2A、H2Bにおいては、炎症性サイトカイン(インターロイキン(IL)-6、IL-8、腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor(TNF- alpha))産生能、ヒストンH3、H4では、血栓誘導や生体を致死に向かわせる機能を有している。これらの機能から生体致死を免れるには、DAMPsが細胞質内に留まっているうちに分解し、細胞外への放出を抑制することが最も有 効な方法である。しかしながら、細胞外への放出抑制は、未だに開発されていない。我々は、細胞内の小器官・小胞体に存在するE3ユビキチンリガーゼ、すなわちシノビオリンを単離・精製している。 したがって、本研究の目的は、シノビオリンとヒストンを結合させ、分解を行うことである。 2022年度は、シノビオリンタンパク質とヒストン(H2A、H2B、H3、H4)との結合をファーウェスタン法を用いて確認を行った。その結果、すべてのヒストンとの結合を確認した。しかしながら、低濃度での検討を行っていないため、さらなる検証が必要である。また、シノビオリンの基質になるかを検討したが、残念ながら、確固たる結論に至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の状況で実験(シノビオリンのタンパク質発現、ファーウェスタン、ユビキチンアッセイなど)が中断することがあり、思うように結果が出せられず、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の繰り越している、ユビキチンアッセイの結果を確固たる結論を導き、最終目的、細胞などを用いて、シノビオリンがヒストンをユビキチン化し、細胞内で分解されるかを検証する。
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Causes of Carryover |
次年度は、今年度、確定できなかった実験(ファーウェスタン、ユビキチンアッセイなど)をさらに行う予定であるため、繰り越した。
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