2021 Fiscal Year Research-status Report
Retinal optic nerve regeneration by human iPS cell-derived retinal ganglion cells and artificial sieve plate transplantation
Project/Area Number |
21K19548
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中澤 徹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30361075)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 航 東北大学, 大学病院, 助教 (20646442)
佐藤 孝太 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50732327)
Sharma Parmanand 東北大学, 大学病院, 准教授 (80451623)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
Keywords | 網膜神経節細胞 / iPS細胞 / 移植医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では難治性視神経疾患に対する新しい治療法としてヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞移植の基盤を構築することが目的である。本年度はヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞がマウスの網膜にどの程度生着するかの検討を行った。ヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞は透明でありマウスの網膜に生着したとしてもライブイメージングで観察することが困難なため、Crispr/cas9のゲノム編集技術を利用して網膜神経節細胞の特異的マーカーであるPou4f2遺伝子をGFPで蛍光標識したiPS細胞株を使用した。このiPS細胞から分化誘導した3次元人工的立体網膜組織において、網膜神経節細胞マーカーによる免疫染色でGFPと共染色されることを確認し、GFP蛍光を認めた細胞が網膜神経節細胞であることを確認した。分化誘導した立体網膜組織から単離したヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞を8週齢のC57BL/6マウス5匹の硝子体内へ細胞注射を施行した。マウス用眼底観察装置Micronを用いて注射後1週間に眼底を観察したところ全てのマウス眼底に明らかな蛍光発現を認めず、1匹では水晶体後面にわずかに蛍光発現を認めていた。この結果から浮遊細胞では硝子体中で浮き上がり生着が難しいことが原因と考えられた。そこで、同様に8週齢のC57BL/6マウスの網膜を摘出し、Explant cultureを行ってこの上に単離したヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞を播種した。3日後の観察で蛍光を有する神経突起が観察され、網膜上に生着すれば神経突起伸長が得られることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物モデルの硝子体内に移植した細胞をライブイメージングで観察するための細胞の作製、実際に硝子体内へ移植した時の問題点の確認、またExplant cultureした網膜への細胞播種と研究はおおむね順調に進んでいる。網膜内インプラントに使用する材質に関しても現在様々な素材に関して検討を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
単純にヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞をマウス硝子体内へ細胞注射しても生着する確率がかなり低いことが確認された。しかし、生着すれば神経突起伸長が得られることは確認出来たことから今後はどのように移植するかの検討を行う必要がある。併せて今年度の研究ではヒトの細胞をマウスの硝子体内へ移植しており拒絶反応の有無についても今後検証する必要がある。マウスの硝子体内は非常に狭いため、ラットやマーモセットなどレシピエントとなる動物種の検討も行いたい。
|
Causes of Carryover |
移植用インプラント素材の検討ならびに移植の条件検討が必要なため
|