2023 Fiscal Year Research-status Report
自己iPS細胞質を利用した老化卵子発生能向上の試み:ヒト受精胚作製による効果検証
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21K19549
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
寺田 幸弘 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10260431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 健一 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (20714330)
白澤 弘光 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60598019)
高橋 和政 秋田大学, 医学部附属病院, 技術系スタッフ (60791910)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / ヒト卵子 / 若返り / iPS細胞 / 発生能 / 細胞内小器官 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、良好卵子を人工的に再構築することを目的としている。細胞核・細胞質・ミトコンドリア等の細胞内小器官を物理的に操作する本研究の遂行にはヒト未受精卵が必要不可欠であると共に生殖・胚細胞におけるミトコンドリア等の細胞内小器官の動態と発生状態の関係性を把握する必要がある。これまでに化学的蛍光プローブを用いる手法を確立し、マウス2前核期胚より第一体細胞分裂の終了までのDNAおよび微小管、微小繊維のライブイメージングを得ることに成功し国際誌に発表した。(Okabe M, RMB 2023) さらに凍結融解ヒト2前核期胚を用いたヒト第一体細胞分裂の観察にこの手法を応用し、分裂後2細胞期胚の核の状況(単核あるいは多核)にとライブイメージで観察される第一体細胞分裂紡錘体の形態が関連していることを明らかにし、現在投稿中である。 さらに後に得られるであろう胚・体細胞との関連性にも注目し、2細胞以降でも同様な検討を進めている。ヒト卵子の確保については現状でも困難な状況が続いている。 (研究に使用可能なヒト未受精卵の入手方を探究しているが、)現況では、本研究の周辺課題について可能な範囲でこの挑戦萌芽研究計画としての成果をだすべく、前述のようなその基盤となる研究をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19のため採卵件数の一時的な減少もあり研究に供するヒト未成熟卵子獲得が予想よりも少なく実質的研究には至ることができなかったが、一方で本研究において将来必要となることが予想される、ヒト受精卵における細胞内小器官の動態と、その後の発生について、極めて重要な知見を得ることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究用の胚作製用のヒト未授精卵子獲得の劇的なスピード化は難しいため、今後、スムーズに次の検討(iPS関連)、遂行できるようにするため、体細胞のiPS化に関して、より効率的手法の導入を考慮するとともに、再構築細胞におけるミトコンドリアやその他の細胞内小器官、核の動態と相互作用について確立した手法を駆使して追及する。
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Causes of Carryover |
研究用卵子の獲得とその凍結保存およびその維持。患者体細胞からのiPS細胞誘導に関する検討。胚細胞内の細胞内小器官の動的・機能的解析に関する検討。
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