2022 Fiscal Year Annual Research Report
母子ペアゲノム配列情報に基づく非自己バリアントの妊娠アウトカムに対する意義
Project/Area Number |
21K19551
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
碓井 宏和 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (90375634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 恵美里 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (30447289)
羽生 裕二 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40816162)
佐藤 明日香 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60779859)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 胎盤 / 妊娠高血圧 / バイオインフォマティクス / 非自己バリアント / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
胎盤は、母に対して免疫学的にはセミアログラフトであるが、拒絶を受けない。移植免疫に重要な分子であるHLA-A,HLA-B,HLA-DRやABO血液型抗原がトロホブラストで発現しないなどのしくみにより拒絶が回避されていることが知られている。最近の次世代シークエンサーによる全ゲノムレベルでの解析の結果から、ヒトゲノムには多数のバリアント(多型・変異)が存在していることが明らかにされてきた。母と胎盤でアミノ酸配列が異なるバリアント(本研究では非自己バリアントと呼ぶ)は、免疫学的に非自己と認識され得る。 東北メディカル・メガバンク機構の三世代コホート調査の試料・情報分譲データをもとに、母児間の違い、非自己バリアントを網羅的に検索する。非自己バリアント蛋白は(軽度の)免疫学的拒絶の対象になり得るため、胎盤形成不全等に起因する産科疾患の原因になる可能性がある。 千葉大学および東北メディカル・メガバンク機構における倫理審査承認、契約締結を行った。母が子を非自己と認識する可能性のあるバリアントを抽出するアルゴリズムを作成した。東北メディカル・メガバンク機構の三世代コホート調査の試料・情報分譲データ(母子ペアのシークエンスデータ: 317名分のvcfファイル)を用いて非自己バリアントの網羅的な検索を行い、ペア毎に非自己バリアント抽出した。現有している胎盤高発現な遺伝子群の情報と合わせて胎盤で高発現する非自己バリアント群を同定した。三世代コホート調査の産科的アウトカムとの比較により非自己バリアントパラメーターの意義を検討している。
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Research Products
(9 results)