2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of male contraceptives that target proteases in the epididymis
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21K19569
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 治彦 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (50604732)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 男性用避妊薬 / 精巣上体 / プロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2021年度に同定した阻害剤の標的分子を欠損 (KO) したマウスを個体化し、表現型を解析した。阻害剤を投与したマウスと同様に、このKOマウスの精子では、卵子透明帯結合に関与するタンパク質のプロセシングが異常になっており、精子が透明帯に結合しなかった。また、阻害剤を投与したマウスと同様に、精子運動性が低下していた。一方で、卵子透明帯結合に関与するタンパク質を欠損したマウスでは、精子運動性は低下していなかった。以上の結果から、阻害剤の標的分子は透明帯結合能の制御とは別に、精子運動性を制御する経路にも関与すると考えられる。この経路に関与する分子を見つけることができれば、男性避妊薬の新たな標的候補につながる可能性がある。 本研究課題では、精巣上体のプロテーゼを標的にした男性避妊薬の候補分子を見つけることはできなかった。しかしながら、精巣上体イニシャルセグメントの上皮細胞肥厚に関与する分子の阻害剤を3週間投与すると、雄マウスが可逆的に不妊になることを明らかにした。阻害剤を投与したマウスでは精巣上体のプロテアーゼの量が有意に減少していた。さらに、透明帯への精子結合不全や精子運動性の低下など、精子成熟過程も異常になっていた。精巣上体イニシャルセグメントの上皮細胞の肥厚に関与する分子や、その下流の分子を特異的に阻害することができれば、短期間で効果があり、かつ可逆的な男性避妊薬の開発につながることを示せた。
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