2023 Fiscal Year Research-status Report
神経変性疾患の発症メカニズム解明を目的としたノックインマウスの開発
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21K19582
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
阪上 起世 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 研究員 (10804924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 均 京都大学, 医生物学研究所, 技術職員 (90599200)
佐野 裕美 藤田医科大学, 精神・神経病態解明センター, 准教授 (00363755)
小林 憲太 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (70315662)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | Gt(ROSA)26Sor / Cre / FLPo |
Outline of Annual Research Achievements |
CreとFLPoにより制御されるR26ノックインマウスは、申請時の2系統(野生型AKT1と活性型AKT1)と不活性型AKT1を含んだ3系統の作製を、CRISPR/Cas9により試みた。得られた3系統のそれぞれのファウンダー候補マウスをC57BL/6Jマウスと交配して系統化を試みた。しかし、不活性型AKT1については相同組み換え部位で5' 3'側ともに組換えが確認できる系統が得られず、また発現誘導が確認できなかったため樹立を断念した。野生型AKT1発現マウスと活性型AKT1発現マウスははそれぞれ50匹以上のファウンダーマウスよりそれぞれ1系統だけを選別・樹立することができた。系統化できたものについてAAV-DJ-CAG-CreベクターとAAV-DJ-CAG-FLPoベクターを眼球内と線条体に注入した。その後、抗HA抗体を用いたウエスタンブロットと免疫組織化学染色を行い、AKTの発現誘導を確認できた。 それぞれの系統について受精卵凍結により系統保存し、論文化の後、バイオリソースとして公開予定にしている。令和5年度に所属機関が変わり、神経変性疾患モデルマウスとの交配ができていない。現在、明順応および暗順応させたマウス網膜におけるリン酸化型Aktの詳細な発現解析を行っている。今後、視神経挫滅モデルマウスを作製し、神経変性疾患モデルマウスとの交配を行う予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度に所属機関が変わり、視神経挫滅手技の習得に着手しているが、神経変性疾患モデルマウスと交配した解析はできていない。Aktの発現パターンを詳細に解析しているが、本来の研究計画に示した変性疾患モデルマウスを用いた解析ができていないため、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
視神経挫滅前後、および明/暗順応下等でのAktの発現パターンを解析し、どの細胞でシグナルが活性化しているかを明らかにする。そのことで、変性疾患の発症における手がかりを掴みたいと考えている。
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Causes of Carryover |
2023年度に異動し、異動先の動物飼育スペースに制限があり、研究計画が遅れたために次年度使用額が生じた。次年度使用額は抗体、試薬、器具の購入、論文化に使用する。
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