2021 Fiscal Year Research-status Report
ラマン分光sortingの導入による歯根膜シングルセル解析の高機能化
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21K19599
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 佳則 大阪大学, 工学研究科, 招へい教授 (20386634)
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90524984)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 歯根膜 / ラマンスペクトル / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、歯根膜を構成するheterogeneousな細胞群の特徴解明を目的とし、シングルセル単離時に各細胞のラマンスペクトル情報を非侵襲的に取得し、シングルセルRNA-シークエンス解析から得られる情報と照合することにより新たな歯根膜解析プラットフォームの構築を目指している。 2021年度は、歯根膜分化マーカーラマンスペクトルを決定するために、まず骨芽細胞の分化過程における経時的なラマンスペクトルプロファイルを取得し、硬組織形成細胞への分化段階に特徴的なラマンスペクトルの検出を試みた。すなわちマウス骨芽細胞を石英ボトムディッシュ上で培養し、経時的なラマンスペクトル解析を行った。その結果、特異的なラマンスペクトルを検出するには至らなかったものの、複数のラマンスペクトルの組み合わせによりプロファイリングできる可能性を示唆するデータを取得した。一方で、硬組織形成細胞への分化度の異なるマウス歯根膜細胞クローンの比較においては、十分な情報の取得にまで至らず、2022年度も継続することとしている。 また、マウス歯根膜のシングルセル解析を行うために、解析可能なサンプル調整方法を確立した。すなわち、マウスの歯根から歯根膜を回収後、特定の酵素処理により作製した細胞懸濁液でシングルセル解析が行えることを確認した。 シングルセルのラマンスペクトル情報を取得するためのマイクロ流路の作製に関しては、世界的な物流の停滞もあり、一部必要な物品が手に入らず、2022年度も継続することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでのところ、歯根膜分化マーカーラマンスペクトルについて単一の特異的なピークを検出することが困難であることから、プロファイルとして捉えるよう修正したが、当初の想定どおりとならず、時間を要することとなった。また、マイクロ流路の作製についてはコロナの影響で一部物品の入手が困難となったことも一部研究を遅延させる理由となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の進捗状況は若干遅延したものの、2022年度には計画調書通りに研究が遂行できるように尽力する。 2022年度は硬組織形成細胞への分化を特徴づけるラマンスペクトルプロファイルを決定する。一方でマイクロ流路とラマン顕微鏡の融合により上記プロファイルによって歯根膜を一細胞ごとに分離するシステムを構築し、シングルセル解析を行う。
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Causes of Carryover |
物流停滞によりマイクロ流路作製のための部品が一部入手できなかったため、2022年度に繰り越しとなった。
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