2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of taste function in oral-brain-gut axis using new photogenetical tool
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21K19601
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 竜介 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (60380705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
高尾 知佳 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (40612429)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 糖 / 頭相インスリン分泌 / グルコース代謝 / 甘味受容体 / 糖輸送体 / 体性感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、野生型および甘味受容体欠損マウス(T1R3-KOマウス)を用い、頭相インスリン分泌に寄与する感覚情報について検討した。実験動物として、野生型マウスとT1R3-KOマウスを用い、各マウスをグルコース経口投与群とグルコース胃内投与群に分け、投与前と投与後の血糖値と血漿インスリン値を測定した。また、野生型マウスを用い、飲水直後にグルコース胃内投与した群とグルコース経口投与前に糖輸送体阻害薬を舌に塗布した群についても同様に血糖値と血漿インスリン値を測定した。マウスは12時間絶食・絶水させ、その後各群の実験を行った。 野生型マウス経口投与群の血糖値は、胃内投与群と比較してグルコース投与後に早い時間でピークに達した。血漿インスリン値は、胃内投与群と比較して経口投与群の方がグルコース投与後に早い段階で急激な増加を示した。T1R3-KOマウスでも同様の傾向を示し、野生型マウスとT1R3-KOマウスとの間に有意な差は認められなかった。頭相インスリン分泌としてグルコース処理後5分のインスリン増加を検討したところ、経口投与群では有意な血漿インスリン増加がみられ、胃内投与群では見られなかった。 野生型マウスの飲水直後にグルコースの胃内投与をした群とグルコース経口投与前に阻害薬を舌に塗布した群は、血糖値、血漿インスリン値ともに胃内投与群の結果と類似していたが、グルコース処理後5分のインスリン増加は小さいが有意な増加を示した。 これらの結果から、頭相インスリン分泌にはT1R2-T1R3味覚伝達経路は関与しないと考えられる。口腔内糖輸送体を阻害すると頭相インスリン分泌が阻害されたことから、糖輸送体を介した糖受容システムが頭相インスリン分泌に重要であると考えられる。また口腔咽頭領域の体性感覚も頭相インスリン分泌に何らか寄与する可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野生型、甘味受容体欠損マウスを用いた実験に関しては概ね完了した。光感受性Creマウスについては漸く親マウスが作成できたところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、光感受性Creマウスを用い、場所特異的にCreを発現させる条件について検討する。可能であれば、T1R3-floxマウスと掛け合わせ舌部位特異的T1R3欠損マウスを作成し、その組織、行動応答について検討する。
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Causes of Carryover |
次年度の試薬購入のために繰り越した
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