2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K19619
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 道仁 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 講師 (70609403)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | ロタウイルス / ネルソンベイオルソレオウイルス / ウイルス分離 / ヒト小腸モデル / 動物モデル / シアル酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画2年目である本年度は、昨年度に齧歯類動物マストミスおよびコウモリから分離し、新規のロタウイルス遺伝子型に分類されることが判明したロタウイルスMpR12株、16-06株の性状を詳細に解析した。研究代表者が作出したMA104-T2T11D細胞を用いることで、MpR12株と16-06株の良好な増殖が認められた。細胞をノイラミニダーゼ処理すると、16-06株の感染効率は低下した一方、MpR12はその影響が認められなかったことから、両ウイルス株間で感染時の宿主シアル酸の利用能に違いがあることが示唆された。MpR12株、16-06株を経口接種した乳飲みマウスは下痢症を発症し、MpR12株に比べて16-06株の方が糞便へのウイルス排出がより多く認められた。MpR12株、16-06株を正常ヒト小腸上皮細胞から構築された小腸モデル3D培養系(SMI-100)へ接種し、ウイルスの感染、増殖を確認した。以上の結果から、野生動物が保有するロタウイルスの増殖性、細胞感染機構および病原性に関する知見が得られるとともに、潜在的な種間伝播の可能性が示された。これらの成果を取りまとめて論文発表した(Kishimoto et al. J Virol, 2023)。 このほかに、インドネシアのコウモリ糞便から、ネルソンベイオルソレオウイルスを分離しPgORV株と命名した。PgORV株を用いた中和試験を行い、コウモリ血清133サンプル中108サンプルから中和抗体を検出した。PgORVの接種によりマウスは肺炎症状を呈した。以上の結果から、インドネシアのコウモリ集団中で、哺乳類に病原性を有するネルソンベイオルソレオウイルスの感染が生じていることが示された。これらの成果を取りまとめて論文発表した(Intaruck et al. Virology, 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野生動物サンプルからプロテアーゼ依存性ウイルスであるロタウイルスの分離に成功し、その性状を解析するという当初の計画を達成するとともに、研究成果を論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のウイルス(ロタウイルス、ネルソンベイオルソレオウイルス)に加えて、別のウイルスをコウモリから分離しており、次年度はそちらのウイルスの性状解析に着手する。
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Causes of Carryover |
今年度の所要額は、ほぼ全額(97%)を使用した。経費の節減に努めた結果発生した残額は、翌年度の消耗品購入費に充てる。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Characterization and serological study of Nelson Bay orthoreovirus isolated from Indonesian fruit bats2022
Author(s)
Kittiya Intaruck, Yukari Itakura, Mai Kishimoto, Herman Moses Chambaro, Agus Setiyono, Ekowati Handharyani, Kentaro Uemura, Hayato Harima, Yasuko Orba, Hirofumi Sawa, Michihito Sasaki.
Organizer
第69回日本ウイルス学会学術集会
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